戦後70年、日本の先行きは?

元旦、新婚ほやほやの長男夫婦が帰ってきて珍しく華やいだ正月である。ところが、お天気は寒波襲来で雪模様、15時頃から皆で春日大社に初もうで、あたりはすっかり真っ白に薄化粧となった。

夜、長男が「お父さんたちはいい時代を生きてきたよ。明日は今日より良くなるという希望や期待があったでしょう。僕らは将来を考えると、年金なんて期待できないしますます負担が重くなる。今より良くなるなんて思えないよ」という。私は「君たちは生まれた時から恵まれているからそう思うんだよ。お父さんたちは貧しい厳しい時代から一生懸命働いてきたから今日があるんだ。」と反論したものの40歳の長男の言うとおりだなと内心思った。

そして、何気なしにテレビをつけると、NHKで『戦後70年ー日本の肖像』という番組、戦後の日本の歩みとこれからの日本がどうあるべきかということに関心があったので最後まで見てしまった。

1945年8月22日生まれ70歳のタレント「タモリ」さんが自分の半生を振り返りながら語っているのでほとんど同世代の私も、食糧難、闇市、団塊の世代の誕生、朝鮮戦争特需、安保闘争、東京オリンピック、新幹線開業、高度経済成長、モーレツ社員、大阪万博、ベトナム戦争反対運動、オイルショック、赤塚不二夫の「シェー」、プラザ合意からバブル、昭和天皇崩御、1989年12月の株価38800円、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、東日本大震災と原発事故などと続いてきた事象の映像を観ながら自分の過去と照らし合わせながらいろんな思いが去来した。昨年ノーベル賞を受賞された赤崎勇さんが暗い戦争体験から「日本の復興に関わりたい、日本に明かりが欲しい」と思って青色LEDの研究を続けられた、出来るわけがないと言われ何度失敗を繰り返しても彼は諦めなかったという話に熱いものを感じた。また、戦後の日本で最も影響を与えた人物のアンケート調査で第一位となったのは田中角栄元総理というのも興味深かった。。

更には、司馬遼太郎さんが「自然を壊さない優しい日本に戻すことを国民の大多数が合意すれば日本の明日がある」と言ったという半藤一利さんの話に共感を覚えた。そして、タモリさんが、「共産主義がダメだということははっきりした。しかし資本主義も行き詰まってきた、ここに何かを加えればいいのではないか、日本人の持つ勤勉さとか道徳観などをもって世界に先駆けることができるのでは」という言葉にもうなずくことができた。