イスラエルを訪ねてー国家が存在することのありがたさを知った

先日誘いを受けてイスラエルを訪ねた。3千年ちかく前に国を失い世界中に散らばっていたユダヤの人達がふるさとに帰り1948年になってようやく独立宣言、ところが周辺はアラブ諸国に囲まれ常に緊張状態にある、しかも最近はアメリカのトランプ大統領の言動で注目を浴びている国だけにかねてから一度行ってみたいと思っていた。

驚いたことがいくつかあった。

➀治安が良く、女性が夜一人で歩いていても大丈夫だといわれた。日本国内でメディアから受けている印象とは随分違った。敵対しているはずのパレスチナ自治区に入って日本の援助で運営されている工業団地も視察したが、検問無し、反対にイスラエルに入るときは検問を受けるという具合であった。

➁国家を失うことがどれほどつらいことか知っている民族だけに、国を守る意識が非常に高く平和への希求度が強いこと、そしてイスラエル国民としての誇りが強い。18歳になると男子は3年、女性は2年の兵役が課されている。国境警備隊所属の自動小銃を持った女性兵士を時々見かけた。

➂砂漠の国という先入観を持っていたが、農業国と言ってよいほど野菜が豊富でとても美味しかった。しかも、雨量が少ないにも関わらず、空気から水を作る革新的技術を持ち、灌漑用水や飲み水にも困っていない。

一人当たりの国民所得は今や日本を抜いているという。

④ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地と言われるエルサレムの旧市街地を歩いて歴史の深さを感得できた。嘆きの壁に両手をつくという体験をさせていただいた。

➄非常に親日的である。天皇を中心に世界で一番古い国である日本、ヒトラー率いるナチスの迫害から逃れんとする6000人のユダヤ人にビザの発給を通じて命を救った杉原千畝  の国日本、日露戦争で捕虜になったロシア兵の中にはユダヤ人が多かったが、その収容所の処遇が非常に寛大であった日本、だから敬意をはらってくれていることを知った。

⑥死海で浮遊体験をしたことも新鮮な驚きであった。塩分濃度30%の海ではくるりとひっくり返って顔を浸けると目が痛くて耐えられないことやオナラをするとその瞬間塩水が入って痛いという話も聞いて面白かった。

年間訪日イスラエル人は3万人を超えているが、日本からイスラエルを訪れる人は2万

人だという。日本からもっと来て欲しいという声が大きかった。