朝6時過ぎに我が家を出発、一時間余り週に2~3回は家内と早朝ウオーキングをしている。白みかけた奈良公園を速足で歩くのは実に心地よい。いろんなことをしゃべりながら歩く。家内は東京大学が秋入学への移行を表明していることに「私は反対よ、いくら世界の動きがそうなっているといっても日本は春に草花が芽吹きすべての動植物が活動を始める。入学する子供たちや就職する人たちも一斉に『よし!やるぞ!』という意欲が湧いてくる時期です。秋は枯葉に象徴されるようにだんだんとすべての活動がしぼんでゆく時期だからそんな時に入学や就職なんておかしいわ。四季折々の変化がある日本は日本として独自の道を進んだ方がいいんじゃないの?」
世界の大多数の国が秋入学で日本の大学に外国人留学生が来ないという理由から東大が腰を上げた。他の国公私立大学も検討を開始しているところが多いと報じられている。大学が秋入学になると、就職もやがてそうなってくるに違いない。団体法人の決算時期も3月から9月決算に移行するところが多くなるかもしれない。グローバル化とはこういうことをいうのだろう。だが、家内のいうことも一理あるなと思った。
興福寺本坊の前「はるきぬといまかもろひとゆきかへり ほとけのにはにはなさくらしも」という会津八一の歌碑を横目に通り過ぎた。
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久しくお会いしていなかった武村正義元官房長官のお話を聞くことができた。滋賀県出身で自治官僚から知事や衆議院議員を長く続けられ新党さきがけ代表、財務大臣、内閣官房長官など要職を歴任された政治家だ。引退され今77歳だという。
「世界も日本も展望のない時代を迎えている。人間は数百万年前地球上に現れ膨張を続け70億人を超えた。地球環境最大の破壊者として繁殖し続けていることが許されるのか?日本をはじめ先進国は押しなべて財政破たんの状態、10番目の核保有国イランをよってたかってたたいているが国連常任理事国の5つの大国をはじめ9つの核保有国の責任を問われないのはなぜか?この地球社会を人間がコントロール出来ない状態になり民主主義も行き詰っている。
日本の政治に3つの問題意識を持っている。①この国のもっともすぐれた人が政治家として登場する仕組みになっていない。イギリスでは政党が一週間かけてあらゆる角度から選挙に出て良い人かどうかを審査している。日本は健全な市民が被選挙権を得られず変わり者の中から選んでいるのが実態だ。どうすればこれを変えられるか?政治家の報酬が高すぎるのもいけない。地方議員はボランティアにすればいい。②いまの政治は次の総選挙が何時あるかなどせいぜい数年先しか見ていない。せめて10年先を見通して行動する仕組みができないものか。自民と民主が入れ替わるだけでは何も変わらない。③今の衆議院の小選挙区比例代表並立制という選挙制度が日本の政治風土に合わないのではないか。中選挙区3人制にして2人連記できるようにすれば同士討ちの弊害も回避できる。
野田内閣の消費税増税について、野党は、『マニュフェストを作ったときは消費税増税を考えていなかった』ということを政府与党に認めさせたうえで協議に入るべきだ。議論もせず解散・総選挙だというのではダメだ。野田内閣がどうしても増税をやりたいなら大胆な妥協をして、政治改革や行政改革について自民・民主・公明が合意して6月の話し合い解散としたらどうか。」
ざっと以上のようなお話だったが、特に強調しておられたのが、どうすれば政治に対する国民の信頼を得られるのかということであった。政治改革に情熱を燃やしておられた若き武村先生の姿がよみがえってきた。
かつて私も初めて選挙に出るとき、パンフレットに「政治家が尊敬される社会を!」と書いて「君は有権者に自分を尊敬しろと言っているのと同じではないか、これじゃダメだよ」と言って奥野誠亮先生に叱られ、作り直したことを思い出した。私の気持ちは(青臭いかもしれないが)、武村先生と同じく政治家をさげすんでみるような社会から抜け出さないと日本は良くならないと真剣に考えていたのだ。
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こんな間近な席から法要に参列
「東大寺唯心会」のメンバーとして 東大寺恒例の「修正会」に今年も参列した。「修正会」は年の初め大仏様に一年の幸せと国の安泰を祈願する1200年の伝統を継ぐ大法要で、東大寺の全僧侶によって厳修される歴史的儀式でもある。1時間半余大仏様の蓮座の横に座らせてもらうのだが、寒いことこの上なし、まるで寒修行をしているようだ。われわれはコートをつけることを許されているのだが、一番若い修行僧は素足で草鞋を履いていらっしゃる。見ると足は寒さで赤くなっている。終わってから本堂で粕汁をいただき、芯まで冷え切っていた身体が生き返ったような気がした。
専務理事さんから私に代表して新年の挨拶をするようにというご指示があったので、ざっと次のように結ばせていただいた。
「明けましておめでとうございます。昨年暮れNHKドラマ『坂の上の雲』をみて、改めてわれわれの先輩はこんなに苦労してこの国を守ってくれたんだ。そのおかげで今日の私たちの生活があるんだと感謝の気持ちでいっぱいになった。年が明けていただいた年賀状には「四海波高く五里霧中」と書いたのがあった。今年の日本はあらゆる点で良いところ全くなく新年を迎えている。
先ほどお経を聴きながら大仏様を仰ぎ会津八一さんの歌を思い出した。『おほらかにもろてのゆびをひらかせて、おほきほとけはあまたらしたり』(大仏は動かないけれど世界を見ているだろう、開いた手を拳にして悪いことをする人間を叱ってやって欲しい)
聖武天皇が大仏建立を発願なさったときは大仏様を信仰することによって国民が貧困や病気から抜け出して平和で幸せになるように願われたはず、私たちもそのような崇高な精神に共感し唯心会の一員となっている。昨年は大災害があり大変な年であったが、今年こそ日本国やお互いにとって良い年になるよう大仏様に寄り添いながら、歯を食いしばって頑張ろうじゃありませんか。大災害に遭われた人たちと比べると我々はまだまだ幸せです。」と。
私の話はいつものように堅くなってしまった、「家内が聞いていたらまた叱られるなあ」と一人苦笑した。
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野田総理の年頭記者会見を聞いているとどんな質問にもそつなく答えているし、消費税の増税には非常な力の入れようだなという思いは伝わってくる。ところが、民主党内の力関係や野党の態度、国民世論などを総合的にみて、その前提となる「衆議院の定数削減や公務員給与の削減」が実現する可能性はあるのか?総理の言葉が空疎に聞こえるのは私だけではなかろう。
自民党を筆頭に野党の姿勢もいただけない。議論もさせないで、ただ「解散・総選挙に追い込むんだ」では昔の社会党と変わらない。これだけ課題が山積しているときに選挙をやる政治空白を作っていいと思っているのか?国民の多くはいま期待できる政党や政治家がいないことを憂えているのだ。
そもそもいま消費税を上げて良いタイミングかと私は言いたい。いまの日本経済を立て直すにはまずデフレからの脱却と行き過ぎた円高から抜け出すことだ、東日本大震災の復興や社会保障にカネが足りないのだから、日銀が国債を買ってその代金に新札を刷って市中に流せば良い。そうすると、通貨量が増えてインフレ気味になるから、タンス預金も引き出され消費が活発になる。やがて消費税の増税を必要とするときは来るが、いまやると日本経済はますます縮小し泥沼に落ち込んでしまうだろう。どこの国もやっていることをなぜ日本だけできないのか?20年前のGDP500兆円と今も変わらないのは日本だけ、その間アメリカは700兆円から1400兆円になり中国は50兆円から500兆円になっているのをみればわかる。ハイパーインフレの懸念や通貨の信用をうんぬんする日銀と政府の判断が正しかったのか、20年間を振り返れば明白ではないか。金融政策でも大阪橋下市長のような実行力と決断力が欲しいなあ。
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二条城の入り口で
家族4人京都へ車で出かけたが、お正月はどこも人人人車車車、駐車するところを探すのに何度も苦労した。三十三間堂、天龍寺、二条城などを歩き、京都駅の美術館で「北斎の富士」展を観た。お寺などはもう何十年も前に訪れたところであったが、どこも新たな感慨に浸ることができた。三十三間堂の雷神や風神像も素晴らしいし、天龍寺の庭も圧巻だ。二条城では大政奉還が行われた場所という史実に想いを馳せながら見ていたが、入り口の国旗に、「なんでこんなところに日本の国旗があるの?」と小さな男の子がお父さんらしき人に大きな声で訊いているのを見て今の日本を象徴している光景ではないかと思ったりした。
年賀状をたくさんいただいたが、その中に「いつもメルマガありがとうございます。共感することが多々あり、皮肉的に言えば、政治は外側から見ている方が正しいのかも知れませんね。」というメディア関係の人からの文言に「ほんとにその通りだな、渦中にいると客観的に眺められなくなるんだ」と自戒しきり。
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