中條高徳先生のご逝去

アサヒビール名誉顧問の中條高徳氏のご逝去を昨日の朝刊で知った。一般的にはアサヒスーパードライを大ヒットさせ低迷していたアサヒビールを立て直した人物として知られているが、同時に我が国の保守派を代表する論客であった。陸軍士官学校を卒業され、戦争で亡くなった同僚など英霊への感謝と慰霊の思いから靖国神社のそばに住居をかまえ40年以上毎朝参拝を続けてこられたという傑物である。私は個人的にも靖国神社問題や戦後占領軍によって歪められた歴史教育などについて直接幾度となくご指導をいただいただけに残念でならない。中條先生の講演や著作もわかりやすく論理的で説得力があった。私が「英霊にこたえる会」の奈良県代表を受諾したのも、この会の全国を代表する人が中條先生であったからである。

民主党の代表選挙についての報道を見ていると、3人の候補みんな憲法改正反対だという。アメリカの占領政策によって日本人がかつて持っていたいいものや日本の心が失われた。また、過度の自由主義や個人主義も今の日本社会を歪めている。その遠因の一つが日本国憲法にあるということが民主党の彼らにはどうしてわからないのだろうか?第9条だけの問題ではないのである。中條先生が切々と「アメリカの占領政策から目を覚ませ、日本人は誇りや自信を取り戻せ」と訴えておられた姿が浮かんでくる。

中條先生は「私が死んでも四十九日が済むまで外部に知らせないで」と遺言され、昨年12月24日亡くなられたそうだ。あの方らしい死に方だと思う。今頃あの世で戦争で亡くなられた人たちに囲まれて「お前はよくやってくれた」と言われているに違いない。