サラリーマンの年収格差について

先日ニュースを聴いていると今日本のサラリーマンの平均年収は、正社員が468万円、非正規雇用者となると168万円ということだった。なんと300万円もの差があることに驚いた。非正規となるとこれでは生活してゆけないだろう。若い人は結婚もできないし、一生正社員になれないとなると人生明るいわけがない。ある種の階級社会ができてしまった。

私の若いサラリーマン時代、職員組合の執行委員や書記長も務めたが「非正規雇用者」などという言葉を聞いたことがなかった。日本の伝統的な終身雇用や年功序列の体系が崩れ、「規制緩和はなんでもいいことだ。これがグローバルスタンダードだ。」とアメリカ型の雇用制度を採り入れ、コストダウン、コストダウンと走ってきた結果がいまの状態を生んでいる。日本社会を見渡すと、貧富の差が広がり生活保護費をはじめ社会保障施策に費やすカネがどんどん膨らんでくる。またこれが少子化の原因の要素ともなっている。そのうえ、医療・介護・子育てなど社会化が進み、なんでも税金のカネを使わなければ損だという風潮が蔓延してしまった。核家族が多く、昔のように家族でお世話をする環境もなくなりつつあり、日本人のモラルも低下している。

政治家も、福祉施策の充実を言わなければ選挙で不利になるし、国民もそれを要求する。アメリカの要求に応じて各方面の規制改革を進めていた小泉政権下で国会に議席をいただいていた私は責任を感じている。アメリカからもらったもの全て悪かったとは思わないが、日本の良いところはかたくなに守るべきなのだ。

3年間は国政選挙がないとしたら、安倍政権の強力なリーダーシップに期待したい。