「はだしのゲン」を読んで

最近まで例の松江市で問題になった「はだしのゲン」の中身を知らなかったが、読んで驚いた。

たとえば日本軍将兵の残忍性を示した4コマには、「妊婦の腹を切り裂いて中の赤ん坊を引っ張り出したり」、「女性の性器のなかに一升ビンがどれだけ入るかたたきこんで骨盤をくだいて殺したり」、「首をおもしろ半分に切り落としたり」、「銃剣術の的にしたり」とひどい描写がある。著者中沢某の表現は中国共産党のプロパガンダそのものである。非戦闘員である婦女子を残虐に殺したのは通州事件にみられるよう中国兵の方ではないか。

また「まずは最高の殺人者、天皇じゃ。あいつの戦争命令でどれだけ多くの日本人、アジア諸国の人間が殺されたか」「なんで君が代を歌うんじゃ、わしゃ歌わんぞ。君が代の君は天皇のことじゃ。 わしゃ天皇はきらいじゃ。」などと、天皇制を否定し国旗国歌も否定している。

他にも、子供たちに読ませてよいのか疑問に思う箇所が次から次へでてくる。戦争の悲惨さを訴え、平和の尊さを教えるのは大切だが、子供の発達段階を考慮しつつ公正な史実に基づく表現でなければならない。子供たちに間違った歴史認識を植え付けてはいけない。

松江市教育委員会が出した閲覧制限の撤回は、マスコミ報道や左翼団体のバッシングに屈して決めたようで残念だ。文科大臣のコメントも腰が引けていた。全国の公立図書館や学校図書館で毎日子供たちがこの「はだしのゲン」を読む環境を放置してしまっている。

「表現の自由」や「読む権利」を主張する以前の問題であり、子供たちの「教育」にはなにが大切なのかを考えるべきだ。