奈良市長選を憂う

今月に入って、7月行われる奈良市長選に現職と若手市議が相次いで立候補を表明した。現職は37歳、挑戦者の市議も44歳双方とも若いから一見良さそうに見えるが、私は正直ガッカリしている。

現職は前回全くの素人ながら政権交代の大合唱をしていた民主党の全面応援を受けていわば風で当選した人物、改革派を自認するも空回りばかり、自らの部下である市職員たちを「不祥事のデパート」と言ってのけ、さも自分は市民の見方ですというような顔をしているが、何も決められない。議場でガムをかんでいたり、お別れ会に赤いネクタイで出席したりと常識も欠けているようだ。すこぶる評判が悪く、こんな市長にあと4年もやられたらたまらんという人が多い。

対する若手市議は5期連続トップ当選でハンサム、おしゃべりもそつなく見た目には素晴らしい人物に見える。しかし、この人物は平成18年市職員2人をそそのかし、情報を入手、地方公務員法違反容疑で逮捕され、有罪判決をうけている。「間違った正義感に基づく行動だった」と反省しているというが、こういう前歴のある人が市長選に出馬するというのは常識を超えているのではないか。私も罪を犯した人を立ち直らせる保護司という仕事を仰せつかっているが、市の職員をそそのかして有罪になった人が市のトップに立つというのでは市民を愚弄しているに等しい。

奈良市は奈良県の県都であり、世界の奈良でもある。上記の2人はそんなトップにふさわしい候補と言えるだろうか?加えて、ごみ焼却場や火葬場の移転問題は喫緊の課題であるにもかかわらず歴代の市長が決められないままになっている。共産党は推薦候補を別に立てるようだが、自民・公明や維新はどうしているのだろう。市長選で市民に上記のような選択枝しか与えられないようでは、奈良市の未来はない。

7月の選挙の投票日は参議院選挙と市長選、市議選も同日というだけに互いに影響は大きい。