野田総理の年頭記者会見に思う

 野田総理の年頭記者会見を聞いているとどんな質問にもそつなく答えているし、消費税の増税には非常な力の入れようだなという思いは伝わってくる。ところが、民主党内の力関係や野党の態度、国民世論などを総合的にみて、その前提となる「衆議院の定数削減や公務員給与の削減」が実現する可能性はあるのか?総理の言葉が空疎に聞こえるのは私だけではなかろう。
 自民党を筆頭に野党の姿勢もいただけない。議論もさせないで、ただ「解散・総選挙に追い込むんだ」では昔の社会党と変わらない。これだけ課題が山積しているときに選挙をやる政治空白を作っていいと思っているのか?国民の多くはいま期待できる政党や政治家がいないことを憂えているのだ。
 そもそもいま消費税を上げて良いタイミングかと私は言いたい。いまの日本経済を立て直すにはまずデフレからの脱却と行き過ぎた円高から抜け出すことだ、東日本大震災の復興や社会保障にカネが足りないのだから、日銀が国債を買ってその代金に新札を刷って市中に流せば良い。そうすると、通貨量が増えてインフレ気味になるから、タンス預金も引き出され消費が活発になる。やがて消費税の増税を必要とするときは来るが、いまやると日本経済はますます縮小し泥沼に落ち込んでしまうだろう。どこの国もやっていることをなぜ日本だけできないのか?20年前のGDP500兆円と今も変わらないのは日本だけ、その間アメリカは700兆円から1400兆円になり中国は50兆円から500兆円になっているのをみればわかる。ハイパーインフレの懸念や通貨の信用をうんぬんする日銀と政府の判断が正しかったのか、20年間を振り返れば明白ではないか。金融政策でも大阪橋下市長のような実行力と決断力が欲しいなあ。