今年も東大寺「修正会大法要」に参列

こんな間近な席から法要に参列
こんな間近な席から法要に参列
 「東大寺唯心会」のメンバーとして 東大寺恒例の「修正会」に今年も参列した。「修正会」は年の初め大仏様に一年の幸せと国の安泰を祈願する1200年の伝統を継ぐ大法要で、東大寺の全僧侶によって厳修される歴史的儀式でもある。1時間半余大仏様の蓮座の横に座らせてもらうのだが、寒いことこの上なし、まるで寒修行をしているようだ。われわれはコートをつけることを許されているのだが、一番若い修行僧は素足で草鞋を履いていらっしゃる。見ると足は寒さで赤くなっている。終わってから本堂で粕汁をいただき、芯まで冷え切っていた身体が生き返ったような気がした。
 専務理事さんから私に代表して新年の挨拶をするようにというご指示があったので、ざっと次のように結ばせていただいた。
 「明けましておめでとうございます。昨年暮れNHKドラマ『坂の上の雲』をみて、改めてわれわれの先輩はこんなに苦労してこの国を守ってくれたんだ。そのおかげで今日の私たちの生活があるんだと感謝の気持ちでいっぱいになった。年が明けていただいた年賀状には「四海波高く五里霧中」と書いたのがあった。今年の日本はあらゆる点で良いところ全くなく新年を迎えている。
先ほどお経を聴きながら大仏様を仰ぎ会津八一さんの歌を思い出した。『おほらかにもろてのゆびをひらかせて、おほきほとけはあまたらしたり』(大仏は動かないけれど世界を見ているだろう、開いた手を拳にして悪いことをする人間を叱ってやって欲しい)
聖武天皇が大仏建立を発願なさったときは大仏様を信仰することによって国民が貧困や病気から抜け出して平和で幸せになるように願われたはず、私たちもそのような崇高な精神に共感し唯心会の一員となっている。昨年は大災害があり大変な年であったが、今年こそ日本国やお互いにとって良い年になるよう大仏様に寄り添いながら、歯を食いしばって頑張ろうじゃありませんか。大災害に遭われた人たちと比べると我々はまだまだ幸せです。」と。
 私の話はいつものように堅くなってしまった、「家内が聞いていたらまた叱られるなあ」と一人苦笑した。