朴(ほお)の花とゆでガエル

 昨日は我がNPO法人の活動場所となる山林の測量を森林組合の人達がしてくれるので、森の仲間とともに約10ヘクタールの山を私も地図を手に一緒に歩いた。蒸し暑い上に登ったり下りたりで結構きつかったけれど、間伐が進み池を作ろうとしている広場(元耕作放棄地)をきれいにしてもらったので夢が膨らみ楽しくなってきた。大きな朴(ほお)の木を伐ったので見事な葉っぱとなんともいえないいい香りの花がたくさんあった。花やつぼみを家に持って帰ると家内が感激!さっそくリビングルームに飾った。えもいわれぬ高貴な香りを放ち部屋中が幸せな空気に包まれたように思えた。2011-06-03 16-46-54_0006

 亡き母が傘寿を迎えたとき、句集を自費出版したその本の名前が「朴の花」であった。亡父は短歌を趣味とし「木漏れ日」という本を先にだしていたので、何十年と俳句を友としながら「恥ずかしいから」と渋っていた母に私が勧めてやっと実現したものであった。その本のあとがきに母は「子供の頃母(つまり私のおばあちゃん)が朴の葉っぱにおにぎりをくるんで持たせてくれ友達と食べたのが忘れられない。また朴の花も見事で私が一番好きだ。」と書いているのを思い出し、急に母が恋しくなった。

 それにしても、今の日本の政治はなんたることか、菅も鳩山も見ておれない。同志社の同窓会でテレビでおなじみ、日本総合研究所の高橋進氏が「グローバル経済下における日本再生の道」と題して講演された。大震災後の日本経済がどうなるか大変有益な話をしてくださった。「エネルギー危機を逆にチャンスにしなければ、だけど今の政治に頼ることができない。地方は中央依存を捨て自らグローバル活力を取り込め。企業はグローバル化に向けて必要なリスクテークを。個人も、甘えを捨て自らの価値を高めるための投資を。」と結ばれた。「日本は総『ゆでガエル』状態、一番のゆでガエルは政治だ」とおっしゃった時、会場のみんなが「その通り」という顔をしていた。