核持ち込み密約認定報道について

 今日の朝刊は、外務省の「密約」問題に関する有識者委員会の報告書がいずれもトップニュース、昭和35年の日米安保条約改定時に、核兵器搭載艦船の寄港・通過を事前協議の対象外とする了解の有無について、明文化されていない「暗黙の合意」による「広義の密約」があったと結論付け、それを受けた今の民主党政権は鬼の首を取ったように「外交に国民の信頼と理解を取り戻す」[岡田外相]とかっこよく振舞っている。

 わたしは、今回の報告書を出したこと自体、日本の安全保障政策上マイナスになりこそすれプラスになることはなにもないのではと思う。佐藤政権以来の非核三原則は百も承知であるが、アメリカと同盟条約を結び核の傘を借りている以上は「持ち込ませず」をあいまいな形にしておいたほうが日本の国益に資するのではないか。「自民党政権の密約を暴くことだけが目的であった」とすると、今の政権は日本を取り巻く東アジアの厳しい安全保障環境にあまりにも無神経だといわざるを得ない。わたしは以前から非核3原則は建前であってほんとうは2原則ですよと言い続けてきた。「持ち込ませず」を公言することは、日米の離間を願っている中国や北朝鮮を喜ばせるだけであって日本にとっては大きなマイナスとなろう。私のような考え方に反対する人は日本をどのように守ろうとしているのか是非聞いてみたい。