卒業式の風景

 先日奈良大学付属高校の卒業式と幼稚園の卒園式に、そして今日は母校である市立三笠中学校62回目の卒業証書授与式に今年も出席した。私立の場合は制服に身を包み整然としているが、公立の場合制服がないから自己主張とはこういうことかと思いながら見ていたのだが、卒業生の服装や身なりが結構おもしろかった。ジャージー姿、羽織袴、部活の柔道着・剣道着、真っ赤な上下スーツ、白のブレザー、セーターなど300人もいるとほんとにいろいろだ。女の子もミニスカート、ホットパンツもいればなぎなたをやっているのかなと思える袴姿もいた。そして、髪型やブローチなども一生懸命自己主張している感じ。元気良くハイと答える人もおればどちらかというと男の子のほうが伏し目がちに歩き元気がないように見えた。だけど、最後の在校生送辞と卒業生答辞は感動的、自然に拍手したくなるような光景でハンカチで涙を拭っている保護者も多かった。また、校長先生の式辞も良かった。『感謝』『奈良』『夢』の三つをはなむけの言葉とされ、ご自身も今年で定年退職されることもあってか涙声で話されたのには聞くほうも胸がいっぱいになった。保護者の席を見ると平日なのに父親が多いように思った。もっぱらお父さんはビデオや写真の撮り役みたいでお母さんから「しっかり写しとくのよ」と言われているのかな。

 僕が中学校を卒業したときはどうだったろうとか、自分の息子や娘の中学生時代を思い出して「こんなにしっかりしてなかったなあ」と思ったり感慨深かった。帰るとき校長先生が「今年は国歌斉唱ちゃんと出来ました。私の懸案だったんです。」と僕におっしゃった。昨年の卒業式の式次第に「国歌演奏」と書いていたのを指摘し「文部科学省の指導に反する」と苦言を呈していたからであった。おそらく、教員の中に教組の連中がいて校長先生は国旗・国歌の問題で苦労されていたのだろう。なんでもないことがなかなか出来ない国になっている。実際僕の隣で立っていた共産党の市議会議員は国歌斉唱のとき無言であった。