豊かさのなかの不幸せな時代

 政府が提出する補正予算案の審議の行方によっては解散・総選挙の時期が早まるのではないかと言われている。麻生内閣への支持率が3割台へと高まりつつあるのはいいことだが、不支持率が6割近いというのが気になる。政権交代によって民主党中心の政権が誕生することが、世界における日本のプレゼンスにどういう影響を及ぼすことになるか、また日本の安全保障がどうなるのか等を考えると心配でならない。小沢一郎という破廉恥漢によってこの素晴らしい日本が壊されることになってはならない。

 職を失った人が僕の事務所で「雇ってもらえまいか」とやってくる。中小企業支援の融資を受けたいから「手を貸してください」というのもある。また、年金記録でどうも腑に落ちないところがあるから「調べて欲しい」といってくる人もいる。この非力な浪人をすがる思いで頼ってくるひとの気持ちを考えると、何とかしてあげたいけれど、雇ってあげる余裕も無いからつらいことだ。

 先日テレビで長門宏之・南田洋子夫妻の老老介護ドキュメントをみて、夫婦愛とはこういうものかと感激したけれど、アルツハイマーになると華々しい舞台で活躍していた女優がこんな姿になって哀しいなとも思った。

 日本のように成熟した?社会になると複雑な仕組みの中で昔なかった新たな問題が次々と頭をもたげてくるのかな。「貧しさの中で幸せ」だった時代から、いまわれわれは「豊かさのなかの不幸せ」な時代を迎えているのかもしれない。

 こんな時期に日本が政権交代という事態を迎えたらどうなるだろう。この国が危ない。