NHK偏向報道にみる台湾の日本統治時代と現実とのギャップ

 朝刊に「日本の対台湾窓口『交流協会』が台湾人の対日意識調査を行ったところ、約7割の人が日本に好感を抱いていることがわかった」との記事があった。しかも、親日度は若い世代のほうが高く、最も好きな国を尋ねた質問では38%が日本と答え、米国5%、中国2%など他国を引き離しているという。想像していた以上の好感度に交流協会が驚いているそうだ。

 この記事を見てもちろん私も嬉しかったが、先日NHKテレビが流した「NHKスペシャル『台湾弾圧』史観の問題点」では反日的な台湾人の姿が衝撃的であっただけに落差が大きすぎて戸惑っている。

 そうしたら、今日月刊誌WILLを読んでいると「NHK台湾偏向報道への公開質問状」(渡部昇一先生)に出会った。渡部先生は日本の台湾統治時代に深くメスを入れながらNHKの偏向報道に、どういう意図をもって被取材者に不快感を与えてまでこのような番組を製作したのか、公共放送としての説明責任を迫っておられる。日本統治への憎しみを証言しておられた87歳の柯徳三氏に確かめると、「わたしは日本による50年間の台湾統治はプラス面が50%でマイナス面が50%と考える。NHKの取材を受け、インフラや教育の良さを語ったのだが、番組は取り上げなかった。」「NHKには利用された、騙されたという気もしている。日本に対するネガティブな印象のところだけ取り上げられた。」などと答えられたそうだ。

 私はこれまでおつきあいを いただいた台湾の人や台湾へ行ったときの印象からしても確かにNHKの報道は台湾人の日本に対する気持ちを正確に伝えているとは言いがたい。「教育は日本式が一番いい。」といって自分が経営する大学に日本の間を設け大きく書いた『教育勅語』を張り自慢しておられた許国雄先生のお姿も思い出す。昨日の田母神さんの講演にあった、「アメリカの占領下『いかに日本が悪いことをしたか、褒めてはいけない。』と検閲を強いられた。」おぞましい時代がダブってくる。