河上和雄さんを偲ぶ

ハワイに向かう機内で、河上和雄さんが2月7日に亡くなっておられることを新聞で知った。1933年生まれ、81歳だったそうだ。氏は東京地検特捜部時代ロッキード事件で名をはせた敏腕検事で、お兄さんは直木賞作家の三好徹さんだ。私は奥野誠亮法務大臣の秘書官として1年4か月法務省でお世話になったが、河上さんは法務省官房の会計課長であり、この時からお付き合いをいただきいろんなことを教えてもらった。多くの政治家を調べたご経験をお持ちで特に政治倫理やカネの問題では勉強になった。気さくだけれど凛とした生き方を貫いた方で、個人的にも可愛がっていただき選挙応援で私のために奈良までお越しくださったこともあった。晩年弁護士として時々テレビで事件の解説をしておられたからご存知のかたも多いだろう。立派な方がまた一人天国に逝ってしまわれ、残念でならない。

最近政治とカネの問題で次々と大臣が職を辞してゆく。また、与野党を問わず、政治資金の管理の不備からマスコミの餌食になっている政治家もあとを絶たない。国民の側からすると「またか」となってますます政治家がいい加減な存在に見えてくる。

国会中継を聞いていると、議員の定数削減や政治資金報告などについては(国民向けのパフォーマンスかもしれないが)維新の主張が一番正しいと思う。安倍総理も「民主主義の根幹にかかわる問題であり、各会派のご議論を経て立法府で結論を出していただきたい」などとまるで他人事のような答弁を繰り返すのではなくリーダーシップを発揮してもらいたい。昔、後藤田正晴、伊藤正義などのお歴々が真剣に政治改革を論じておられたのを思い出す。政治に対する信頼が得られなければ18歳から選挙権を与えたところで日本の政治はちっともよくならない。

天国の河上和雄さんもきっと同じ思いだろう。    合掌