生涯勉強、生涯挑戦!

上智大学名誉教授渡部昇一さん(83歳)と作家曽野綾子さん(82歳)の対談を読んだ。題名は「八十路、我らなお人生を楽しまん」、老いてますます意気軒昂の二人であり、私が大好きな方々でもある。議員時代、私は渡部先生に「中曽根元総理は靖国神社に一拝だけのお参りをして後、中国に気を使って参拝を止めてしまったことが今日の靖国問題の混乱につながっていると思うのですが間違ってましょうか?」と質問したら、ズバリ、「その通りです、中曽根という人は靖国問題については取り返しのつかないことをやってしまった張本人です」と明快におっしゃったことが忘れられない。

また、曽野綾子先生の講演を聴いたときも、私は「日本は戦後占領軍の方針によって若者の団体教育をしなくなっているが全寮制の学校を作って高校生くらいに団体訓練を受けさせたら見違えるように良くなると思うが、如何でしょうか?」と申し上げたら、曽野先生曰く「その通りです。そういうことをいうと左翼の人たちはすぐ徴兵制につながるのではないかというでしょうが、今の日本の教育のなかで一番欠けているのが若者の団体教育です。同じ敗戦国のドイツでは、兵役と福祉ボランティアどちらかを選択できるようになっていて(確か)半年団体教育を受けるようになっているのですよ」と答えてくださった。

お二人の対談の中に、小泉元総理が国会で披瀝された江戸時代の儒学者佐藤一斎の言葉が出てきた。「少にして学べば壮にして為すあり。壮にして学べば老いて衰えず。老いて学べば死して朽ちず」・・・・・「 若いうちからテーマをもって学んできたことは中年、老年に開花するけれど、多くの人は『壮にして学ばない』。いい学校を出て、いい職場に入って、そこで毎日忙しく仕事をしていればなんとなく学んでいるような気がするけれど実際は学んでいない。処理をしているだけだ。定年後にすることがないという人がいるが、やはり壮にして学ばなかったら老いて衰えるだけだ。」

このお二人はさすがだ。未熟な私のような凡人は、もっともっと学ぶことがある。生涯勉強、生涯挑戦だ!