あの日から一周年~被災地の復興は日本人みんなの問題

あの忌まわしい3.11から一周年を迎え、連日被災地の現状や復興の進み具合が報道されている。国内外から寄せられた被災地への義捐金や支援金が6千億円を超えたという。地震と津波は一瞬にして約16,000人の命を奪い、今も行方不明者が3,155人もいるそうだ。亡くなった人やまだ見つからない家族への思いをあきらめきれず悶々とした日々を送っている人、生活のため家族と別れ遠くへ働きに行っている人、放射能の影響で家があるのに帰れない人、土壌が汚染されたため農業が出来なくなった人、仮設住宅の中で不自由な生活に甘んじている人、希望を失って自殺に追いやられた人等等「気の毒だ」とか「かわいそうに」だけでは済まされない同胞がいっぱいだ。他方、悲しみや苦しさを乗り越えて雄々しく立ち上がり生活再建と取り組んでいる人たちもたくさんいることにヒカリを見る。
 地震、津波、原発の三重苦と菅政権の対応の拙さに、日本という国がつぶれるのではないかという不安がよぎったけれど、なんとかここまでたどり着いた。しかし、やらねばならないことはこれからだ。原発の事故処理、復旧復興財源の確保、エネルギー政策の見直し、新たな都市計画、医療、福祉、教育、雇用等あらゆる面で被災地対策がまだまだ続いていく。そんな中で特にやりきれない思いになるのが原発避難地域の人たちのことだ。他方、原発立地自治体に電源三法交付金として3兆1千億円もの原発マネーがばらまかれ雇用や地域振興に大きな役割を果たしていたという実態をきくと複雑な思いになる。
それにしても、心臓冠動脈バイパス手術を受け先日退院されたばかりの天皇陛下が自らの強い意志で政府主催の被災者追悼式典に出席され追悼の言葉を述べられているお姿を見て熱いものが込み上げてきた。被災者にとってどれほどの励ましをいただいたことか察して余りある。
 被災地の復興は日本人みんなの問題として総力をあげよう、私もささやかなお手伝いを考えている。