新年のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。昨年は総選挙があり格別お世話になりましたことにまず心からお礼を申し上げますとともに、私の近況やら心境をご報告させていただきます。

 昨年8月の総選挙で奈良1区から自民党公認候補として立たせていただいたにもかかわらず惨敗を喫し大きな責任を感じてまいりました。党本部では谷垣総裁のもと、来年の参議院選候補選びと平行して衆議院選挙区の点検作業を行ってきましたが、昨年暮れ私は田野瀬県連会長を通じて「この際引退させていただきたい」旨伝えました。ご支援いただいた皆さんから「もう一度がんばれ」とか「今回は異常な選挙だったんだから」などといろいろ温かいメッセージを頂戴いたしましたものの(不完全燃焼で残念ですが)、年齢が66歳でもあり、選挙に勝たねば働けないのが政治の世界ということを考えると若い人達を育てるためにも退くべきだと決断しました。

 振り返れば、昭和48年1月、奥野誠亮先生の秘書としてお仕えしてから議員生活、浪人時代を含め政治の世界で36年間もお世話になってまいりました。まことに不出来な政治家で終わることになり申し訳なく存じますがこの間ご指導くださった方々、ご支援いただいた皆様方に感謝の気持ちでいっぱいです。

私は今の政治に大変な危機を感じわが国の将来を憂えております。残念ですが、与野党を問わずしっかりした国家觀を持ち自らを処してゆける政治家が少なくなり、有権者におもねて迎合しがちであります。またマスコミのミスリードも日本社会を歪めています。

最近、民主主義というものに疑問を感じ、同時に資本主義がうまく機能しなくなっているように思います。平成17年の郵政選挙は小泉自民党に国民が酔いしれた結果自民党が大勝し、私たちのようにアメリカ言いなりの改革に疑問を持った者は弾き飛ばされてしまいました。昨年の総選挙は、なんども首相の首をすげかえて傲慢な姿勢をとり続けた自民党政権に愛想をつかし、民主党の政権交代の掛け声とバラマキマニフェストに人物も見ないで国民が乗ってしまった結果ご覧の通りの有様です。選挙制度の欠陥もありましょうが、振り子が右に左に振れすぎるのもどうかと思います。またマイケル・ムーア監督が「キャピタリズム」という映画を通してアメリカ社会を訴えているように資本主義も行過ぎると大きな格差を生み矛盾が露呈し日本も心配な方向に向かいつつあるようです。

いま話題のNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」を見ていると、明治時代は貧しくとも自主独立の気概が満ち溢れていたようです。いま国民に求められるのはこれだと思います。財政規律の健全化と社会福祉政策の充実を同時に実現させることには無理があります。また、同盟国アメリカのご機嫌を損ね、共産中国に媚を売るような外交ではこの国の防衛が心配でなりません。一体今の指導者はなにを考えているのでしょうか。

先日テレビを見ていたら、いま売れっ子の経済コンサルタント勝間和代さんが「ないものねだりをするのではなく、あるもの探しをしてごらんなさい」と言っていました。わたしには資力も知力も特別の才能もありませんが、これまで変わることなく支えてくださった多くの支持者が財産であり私の心の支えです。、これからは政治生活のなかで描いていた「全ての改革は教育から」をモットーに、都祁の里山を活かしながら自然環境教育と取り組み奈良市の子供や障害者のお役に立ちたいと考えております。夢はドンドン膨らんでまいります。かといって、私の人生に残された時間はそんなに多くないと思いますので今まであまり出来なかったこと、好きな絵を描いたり、苦労をかけてきた妻と旅をしたり、畑で野菜つくりも楽しんでやってゆこうとしています。

どうか今後とも変わりなくお付き合いいただけますようお願い申し上げます。ともに元気で長生きすることがなによりです。今年一年良い年になりますようお祈りいたします。

ご厚情幾重にも御礼申し上げます。

平成22年正月