国籍法改正は慎重に

  国籍法第3条第1項が、出生後日本国民である父に認知された子は、父母が婚姻した場合のみ届出によって日本国籍を取得することが出来るとしているのは、憲法第14条に反するとの最高裁判決(平成二十年六月4日)があったことにかんがみ、父母が婚姻していない子にも届け出による日本国籍の取得を可能とすることなどを内容とする国籍法改正法案が国会で審議されている。自民、民主、公明各党が賛成し成立する見込みだという。

 しかしわたくしは、不安な点が解消されていないからもっと慎重であるべきだtと思う。家族とはなにかや日本人のアイデンティティーを問う重要な問題をはらんでいる。日本人男性に認知してもらうだけで婚姻関係のない外国人女性との間にできた子供に対しても日本国籍を与えることができるわけで非常に危険だ。

国会で付帯決議がつけられたがまだまだ甘いし、偽装認知に対する罰則も甘く抑止効果が期待できない。ドイツでは、「父親の認知宣言と母親の同意だけで父子関係の認知が可能である」ことからこれを悪用するケースが多く認知無効に出来る法律が最近出来たそうだ。

 最高裁判決が出たからと言って慌てて不備な法律を作っては国益を損ねるというものだ。議席があれば主張できるのに残念でならない。