Archive for 5月, 2009

 次期衆議院選挙に立つ予定者の内133人が親や親族から地盤を引き継いだ世襲候補だという。全体の15%、しかも自民党は33%、民主党の8%と比べて4倍だそうな。民主党は3親等内の親族が同一選挙区で連続立候補するのを党の内規で禁じ、衆議院選挙のマニュフェストに盛り込む方針だという。自民党の中でも随分議論が高まっているようだ。世襲制限に反対する人、賛成する人どちらも言い分はあるようだが、目に余るほど世襲議員が多くなってきたからこそ問題になっているのだろう。

 わたしのように、選挙に苦労してきたたたき上げからすると、職業選択の自由[憲法]を持ち出して世襲を正当化するのには違和感を持つ。会社経営などの相続と選挙で選ばれる公職とは基本的に違う。地盤・看板・カバンどれをとっても明らかにはじめからゲタをはかせてもらえる世襲の息子や娘と私などとはスタートが違う。世襲するひとが政治家として有能であるとか無能であるというような次元の話ではない。小泉元総理は、特定郵便局長の世襲には猛烈に反対しておいて自分の後釜には人生経験の浅い次男にバトンタッチするのも許せない、私一人の感情ではなくおおかたの国民の感覚だと思う。自民党も、親と別の選挙区から出るならば世襲も結構だが同一選挙区からはダメくらいのことは決めないと、日本の政治そのものが劣化してゆくような気がする。

 日本の食糧、農業を考えると、わたしは以前から減反(米の生産調整)政策は廃止すべきだと言い続けている。ようやく石破大臣が手をつけようとされているがなんだか当初の張り切りようからすると尻すぼみのように見える。コメの価格をカルテルによって維持してきたことが、結果として農政を歪め農業の成長や担い手の育成にブレーキをかけ、競争力に欠ける農業構造温存に手を貸してきたのではないか。農家にコメを作るなと言いながら77万トンも輸入せざるを得ないのもわかりにくい話だし、国民は減反政策のために余計な税負担と強いられ高いコメを食べさせられていることになっている。

 このような閉塞感漂う農政に、民主党はスキをついて戸別所得補償というにんじんをぶら下げて一昨年の参議院選挙に勝利した。こんな政策ではますます農家の足腰を弱めてしまうのではないかとも思う。日本の農政改革はそのような単純な切り口で成し遂げられるものではなさそうだ。自作農主義、農地の貸し借り、担い手育成、小規模農家対策などにメスを入れなければならない。わたしは、農政をもっと政治の最重要課題として取り上げ、消費者たる国民の皆さんもまきこんだ議論を高めるべきときだと思う。きっとより良い知恵が湧いてくるに違いない。