Archive for 3月, 2008

森岡正宏の歯ぎしり

3月 18th, 2008

いま日本の政治は「ねじれ」の中で停滞が続いている。政策よりも政局が優先し、国家・国民よりも党利党略が幅をきかせている。期待に応えていないことに、多くの国民は苛立ち失望している。

機能不全の国会

今国会は別称「ガソリン国会」、最大のテーマが道路財源である。特別むずかしい哲学を要することもなくカネで済む話なのに与野党妥協点を見出すこともできない。中国製冷凍ギョーザの殺虫剤混入事件、イージス艦の衝突事故、世界同時株安・円高など次々にいろんな出来事が襲いかかってくるのにトップリーダー福田康夫の顔がほとんど見えてこない。日銀総裁の人事ももたついた。野党も野党だ。政府与党を困らせ早く衆議院を解散に追い込むことしか頭にないように見える。果たして国会議員は日本経済の実態が相当ひどい状態であることを認識しているのだろうか。

 

ンドン下がりつつある日本の地位

そんな国内の動きをよそに、世界における日本の地位はドンドンさがってきている。日本経済が世界の生産に占める割合はピーク時の16%から10%を割るところまできた。一人当たりの国民所得もかつて一位であったのに、いまや十八位にまで落ち込んでいる。さらに、日本を取り巻く環境の変化は著しい。中国・インドなどの経済発展はめざましく特に中国は軍事力も20年続けて二桁台の伸びを記録し台湾・日本などには大きな脅威となっている。アメリカ・ロシア・韓国・台湾などの指導者が代わりつつあるなかで日本の外交・防衛政策をどのように進めていくべきか、極めて重要なときを迎えている。国会が機能不全の状態であることは許されない。

 

危ない国、中国  それでも言うべきことを言わない日本

それにしても、中国は危険な国だ。8月に北京オリンピックが開催されるというのに、冷凍ギョーザの事件は中国の食料品は危ないということを世界にメッセージしたようなものだ。日本人が延べ9百人も中毒症状で病院に駆け込んでいる事実があり、日本の警察の調査で明らかに中国国内で混入されたものであろうと思われるのに日本政府は中国に対して何も言わないのもおかしな話だ。アメリカはオリンピック開催中選手団等6百人の食糧を毎日空輸することを表明している。日本も「中国の食品は安全だと言えないから輸入をストップすることを検討したい。」くらいのことを言ったらどうだ。

チベット自治区の暴動も、共産党一党独裁、漢民族優位の中国にあって少数民族であるチベット人が如何に迫害されているかを推測させる重大な事件である。中国国営放送の報道と他から流れてくるニュースとは全く違う。中国はダライ・ラマ14世の扇動による暴動だと決め付けているようだが実態はそうではない。東トルキスタン、モンゴル人などとともに少数民族であるチベットの人たちも、中国共産党軍によって独立を奪われ侵略・虐殺の被害者としての歴史をたどってきたのだ。人権、環境などの視点から中国をみるととてもオリンピックを開けるような国ではない。

尖閣諸島の領有権、東シナ海のガス田開発、総理の靖国神社参拝などの問題における中国の姿勢を見ていると、日中友好が大切だとニコニコ笑ってばかりではおれない。中国政府に「言うべきことを言う」、日本の外交に足りないのがこれだ。

医療の崩壊にストップ

 医療の崩壊が心配だ。産婦人科医・小児科医が足りない、看護師が足りない、借金で苦しんでいる病院が多い。しかも医療も都会と地方の格差が深刻になっている。いいお医者さんが都会に集まり、田舎では難しい病気に罹ると診てくれるお医者さんがいないし、子供を産むこともできない。日本の医療費は年間約30兆円、パチンコの売上高とほぼ同じである。主要先進国のなかでは国内総生産に占める医療費の割合が最も低い。アメリカの医療費200兆円という規模はあまりにも大きすぎるが日本の医療費は毎年毎年押さえ込みすぎてはいないか。医師・看護師の増員をはかるべきだし田舎に重点配置してほしい。世界一の長寿国となった背景にはこれまでの医療の貢献も大きいに違いない。しかし今、社会保険診療報酬制度を含め医療の仕組みを点検すべきだろう。アメリカの口車にのって株式会社の病院をつくるようなことをしてはならない。さらに医療の格差を広げてゆくことになる。年金・介護・医療を一体ととらえ安心して老後を迎えることができる、安心して子供を産み育てることができる社会にしなければならない。少子化対策として出産費用くらいは国が全額負担するという思い切った決断をすべきだ。

平成20年3月18日 記

森岡正宏

福田政権波高し

3月 16th, 2008

 三泊四日で上京、いろんな人に会ったり日本綱引連盟の理事会・総会などに出席してきた。

 そんななかで、政治評論家の森田実先生と二人だけで食事をともにしながら懇談の機会を持つことができた。絶えず日本の政治をあらゆる角度から見ておられるだけに、鋭いご指摘やご意見を披瀝され大変勉強になったし、なるほどと思える点が多々あった。民主党の小沢代表は権力亡者になっていること、福田内閣が経済政策に無知で現状認識が甘いことなどを指摘され、「自民でもない民主でもない第三の勢力が台頭してくるのではないか、政界再編の動きが活発になってくる。」と話された。国民新党が民主と距離をおきだしてきた、公明の動きも微妙だというのも興味深いことだった。わたしの進路についても考えさせられる思いであった。

 自民党の何人かの議員にあったが、異口同音に厳しい環境だという。そりゃそうだ、福田政権の指導力が見えてこないもの。選挙区へ帰ったら弁解がましいことばかり言わなきゃならないそうだ。次の総選挙は文字どうり天下分け目の決戦だ。

 家内が坂東玉三郎の大ファン、連れられて京都南座へ。中国・昆劇と玉三郎の合同公演であった。玉三郎は確かに美しい、しかも妖艶な女性の雰囲気がなんともいえない。中国古典芸能との出会いで中国語を話しながら素晴らしい踊りと演技をみせてくれた。日本のお能とミュージカルの合いの子みたいだった。家内は終始ご機嫌、近くのお店で食べた昼食もおいしかった。

 今朝のニュースで「小泉・武部・古賀・二階4氏の会談で次の総選挙は来年9月の任期切れギリギリまで解散しないことで合意した」と流れたので大変なことだなあと気が重かっただけに家内と過ごした半日はストレスを解消してくれたようだ。

党利党略優先の政治

3月 11th, 2008

 最高気温19度と随分暖かい一日でした。国会では日銀総裁人事をめぐり、野党は政府案に同意できないというので福田内閣大弱りの様子。ほんとに民主党はなにを考えているんだろう。円高ドル安、株安が深刻だという時に日本の金融政策の責任者が決められない、外国から見る日本は野党の同意が得られなければなにも決められない国だということになるだろう。国家国民よりも党利党略が優先していることを国民も知り、次の総選挙には是非怒りを反映させて欲しい。いまの日本の政治は、総理の指導力や顔が見えてこないし、野党も政局優先・政策軽視の姿勢が明らかである。

 一日でいろんな方にお会いしているが、いまの政治に満足している人はいないように思う。外国では次々と新しい指導者が生まれつつある。国家戦略を持っている国ぐにに日本のようにのんきな平和ボケ国家はつぶされてしまうのではないか。

 「60歳台の人が今カネも時間も余裕がある。健康な人はなにかをしたいと思っている人が多い。だけどなにをすればいいのかわからない人もいる。この人たちのエネルギーを結集できればいいのに。」今日お会いしたかたがそうおっしゃった。僕もその通りだと思う。別の60歳台の人が「もう僕等の時代は終わりですなあ。若い人の考えとはだいぶズレテまっせ。」という。しかし「いや、僕等もしっかりせんとなあ、若い人に流されていくだけではいけません。森岡さん、私ら世代の代表としてまだまだがんばってくださいよ。」と先ほどの人。

 朝、新大宮で演説したけれど、夕方同じ場所で若い民主党議員が薄暗いなかでマイクを握っていた。その姿をみて闘志が湧いてきた。僕が毎朝やっているから向こうもヒートアップしてるのかな。それにしても、民主党は国会をボイコットしたり日銀総裁人事を踏み潰したり、党利党略がひどすぎる。国民を舐めている。