参議院選挙の総括とこれから


 7月27日に行われた参議院選挙は自民党の歴史的な大敗・民主党の躍進という結果となり、自民党は結党以来初めて参議院で第一党の座を明け渡しました。はじめから自民党の苦戦は伝えられていましたが、これほどまで負ける(自民37:民主60)とは多くの人の予想を超えるものでした。
 なぜ自民党はこんなに国民の支持を失ったのか、マスコミをはじめ多くの人達から意見が出されていますが、私なりの感想を述べてみたいと思います。
 その1は、小泉政権以来「地方」をないがしろにしてきたこと、また弱者に対するおもいやりに欠けていたことに自民党はあまりにも無神経であった、東京一極集中がますます加速され大企業を中心に戦後最長の好景気が続いているというのに、地方は疲弊し国民の6割が以前より生活が苦しくなったと感じている、小泉改革とは何だったのかと言う怒りが爆発したのだと思います。開票の翌日、熱心な私の支持者の方なのに「森岡さん、自民党が負けてスーッとしたわ。今回ばかりは自民党はイヤやったから。」とわざわざ電話をかけてこられました。
 その2は、やはり年金記録問題・政治とカネ・閣僚の不適切な発言などへの対応がまずかったことでしょう。若者がネットで安倍総理のことをDKYと呼んでいるようです。D(どうにも)、K(空気が)、Y(読めない)ということだそうです。バンソウコウの赤城大臣を選挙前に切れず、選挙後なんの意味もないときに辞任させたことなども全く国民の気持ちを理解していない証拠でしょう。安倍政権に対する支持率が下がったり、安倍続投に反対する人達が声を上げているのも、このような安倍総理の個人的な性格や資質に不安を感じているからでありましょう。
 その3は、多くの方が指摘しているように、「人事」の失敗であります。仲良しクラブと評されるように、論功行賞や気に入った人だけを登用したのでは、他の人たちは「お手並み拝見」とばかり「協力していこう、助けてやろう」という気持ちにならないでしょう。
 小泉前総理は「自民党をぶっ壊す」と言い、自分に反対する者は「抵抗勢力」だと決め付けましたが、今回の参議院選挙は、自民党組織が壊れたことを見事に立証する結果となりました。これまで自民党を支えてきたいろんな職域組織を代表する候補者がバタバタ討ち死にしています。わたしは、これまで10ヶ月の間安倍総理は良く実績をあげてこられたと思いますが、「美しい国づくり」を議論する余裕もないまま年金や不祥事だけで選挙は終わってしまいました。
これから日本の政治は衆議院と参議院の意思が違う状況が常態化してまいります。外交・防衛・教育・憲法など国家の基本に関わる問題で全く相容れない与野党がつっぱりあったままというのは政治を混乱させ国際社会からも信頼されなくなってしまいます。
つい先日、テロ対策特別措置法の延長をめぐる問題でアメリカのシーファー駐日大使が民主党の小沢代表を訪ね協力を求めたにもかかわらず、「反対」されました。しかも小沢代表は「アフガン戦争はアメリカが勝手にやった戦争で国連決議に基づいていない」と言ったと伝えられています。いまもアフガニスタン周辺のテロ対策に多くの国々が協力しており、日本も給油活動などで国際社会から高い評価をうけております。そしてなにより忘れてならないのは、石油資源の9割を中東に依存している日本に運ばれてくるタンカーがアメリカの艦隊に守られているということであります。小沢代表のような姿勢では日本は国際社会で孤立しかねません。
民主党は元社会党・元民社党・元自民党などいろいろな政党から抜け出た人たちがつくった組織です。今も尚社会主義社会を夢見ているような人たちと自民党にいてもおかしくないような人たちが同居している水と油の政党であります。今回の参議院民主党比例のトップ当選者は、社会保険庁職員も入っている自治労の代表です。日教組の代表も民主党で当選しました。果たして民主党が参議院第一党として責任ある行動がとれるのか、労働組合の代弁政党から責任ある大人の政党になってもらいたいものであります。   
 今回の参議院選挙は、自民党の失政に対して国民がお灸をすえたものであり決して民主党が素晴らしいから勝ったものでもないと思います。しかも安倍政権の10ヶ月の実績にノウを突きつけたものでもなく、むしろ小泉政権が改革改革といっていろんなことに手をつけたその陰の部分が深刻な影響を及ぼし民主党はそれを上手に利用して勝ったといえるのではないでしょうか。
 わたしは、自民党がよく敗因を分析し挙党態勢を確立、政策の修正を加えながら国民の期待に応えるならば必ずやもう一度見直されるだろうと考えます。わたしたち郵政反対者を無理やり離党させ野に放ったまま参議院選挙をやったのも自民党にはマイナスでした。わたしは復党が許されたら自民党が再び国民の信頼を取り戻せるよう頑張りたいと存じます。そのことが日本国の安泰と国民の幸せにつながると確信しております。
 いまひたすら耐えるときだと思います。きっとわたしにも国政復帰への光が見える時期が遠からずやってくることでしょう。そのときはまた大いに力になってくださいますようお願いいたします。
平成19年8月
森岡正宏

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