国会の質疑を聞いて思う


国会質問を聞いていると、97兆円にのぼる平成29年度予算を審議しているはずなのに野党の質問は「森友学園の国有地買上問題」と「文部科学省の役人天下り問題」が突出している。もっと大事なことがいっぱいあるのに国会がうまく機能していると言えない。
 私は真相を知っているわけはないしコメントする立場にないけれど、森友学園については土地の売買に安倍総理と夫人が関わっているとは思わないが、うまく利用されたなという印象を受ける。噂では森友学園の理事長夫人に振り回されたとも聞く。いずれにしても、国有地をあのような安価で手に入れたのには何か隠れた人物が介在しているのではないかと勘繰りたくなるのは野党ならずとも当たり前の話、与党にとってはまことに筋の悪い事案である。
それにしても、籠池氏とやら教育者とは思えない、尊敬できる人ではなさそうだ。
 文部科学省の天下り問題は、最も力の弱い役所がスケープゴートにされているような印象を受ける。公務員の再就職問題は長い歴史があり今日まで紆余曲折してきた実態を私もよく知っている。「天下りはけしからん」とか「税金のカネを交付されている私学に行くのはいかん」とか国会の議論を聞いていると、「けしからん」「組織ぐるみだ」などと叩くことばかり、私も法律に違反するようなことを組織ぐるみでやったことは悪いと思うが、建設的な意見は何も出ないようで、聞くに堪えない。
 優秀な公務員が退職後、その経験や能力を生かす方法をもっと大きな視野に立って考えるべきではないか。「天下り」という言葉そのものがいかにもダーティーなイメージを与えているが、他省庁の実態を見ても再就職には功罪両方あると思う。法務省の検事が辞めてから「ヤメ検弁護士」として法曹界で隠然たる力を発揮している、警察官僚がパチンコ業界に天下って業界を牛耳っている、国土交通省の役人が民間ゼネコンに再就職して癒着の構造が出来上がっている、防衛相の役人が船舶や航空機業界に天下っている、また役人が政治家になり族議員として出身省庁を牛耳ったり圧力を加えたりしている。
 どれもこれも日本国全体の流れからすると、良い面と悪い面があると思う。これまで何度も法律を変えてきた歴史があり、「わたり」と称して何度も団体を渡り歩いて法外な退職金を受け取るようなことは是正されたと思うが、文部科学省だけを叩いてスケープゴートにするのではなく優秀な人材をもっと活用できるような議論をしてもらいたいと思う。そうでないと国家全体からみると大きな損失につながる。
 海の向こうのトランプさんの国会演説は素晴らしかった。曽野綾子さんが指摘しているトランプ評に共感を覚える。「トランプ大統領は、軽薄な人道主義を唱えるアメリカのインテリやマスコミ人より信用できる。オバマ前大統領はいい人だったかもしれないが、こんな強烈な個性はなかった」と。
 私も下品で強烈の個性の持ち主だとは思うが、ビジネスで鍛えた「アメリカファースト」に期待したい。アメリカの経済も軍事も強くなれば日本もきっとよくなる。