憲法改正論議について

 憲法改正についての勉強会があった。
私には「憲法改正」という言葉がどうもしっくりこない。「自主憲法制定」とか「新たな憲法をつくる」と言うべきだ。
誰もが知っているように、占領下の日本がたった1週間でアメリカが作った憲法を自分たちで作ったように押し付けられたのが現憲法である。
 昭和30年自民党が誕生したのも「自主憲法制定」が設立の大きな目的であった。
もう何十年も前のことだが、奥野法務大臣が「たとえ同じものであっても作り直せるなら望ましい」と答えただけで当時の社会党議員から罷免要求を突き付けられた。隔世の感があるが奥野先生が言いたかったのは自主憲法制定だった。
 今は、ようやく憲法改正に賛成という政党が3分の2を超える議席を占め、機運が高まってきた。
とはいえ、第9条に自衛隊の存在を明記するというだけで各政党がいろんな意見を出しメディアも賛否いろいろだ。一度に全部憲法を作り直せと言っても無理なことは百も承知だが、かといって、少しづつあっちを直しこっちを直しても日本国憲法全体が整合してなければならない。
 私が言いたいのは、9条だけを替えたとしても憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの安全と生存を保持しようと決意した」という文言がそのまま残るようでは筋が通らないということだ。全部いっぺんに憲法を日本人の手で正しい日本語で作り直すべきである。
 現実は、与党の中でも加憲などとわけのわからないことを言っている政党があるから難しいことだと思うが、憲法の全体像を頭に置きながら少しづつ替えて行ってもらいたい。護憲護憲と言っている人たちも、憲法は日本国のためにあるのであり、憲法のために日本国が存在しているのではないことを知ってもらいたい。
 それにしても、先の衆議院選挙は野党が割れ、小池さんや前原さんがチョンボしてくれたおかげで自民党が勝てた。得票数から見ると浮かれてばかりおれないことを肝に銘ずべきだ。