小池都知事一人に振り回されている政界、実に情けない。

安倍内閣の冒頭解散を受けて与野党を問わず政治家も政党も右往左往、特に台風の目である小池都知事率いる「希望の党」に振り回されている感じだ。
 しがらみのない政治をうたっている小池さん、「しがらみ」とはなんぞや、広辞苑によると、「せきとめるもの、まといつくもの」とある。彼女は要するに利権などとは無関係の自由に発言し自由に振舞える政治を目指していると言いたいのだろう。国民から見れば、拍手喝采じつに上手い訴え方である。
 しかし、政党とは拠って立つところがあってはじめて政党の性格が明らかになるのではないのか?烏合の衆ではないはずだ。
 私は田中内閣以来半世紀近く、日本の政治を内側からみてきた。新自由クラブ、新党さきがけなどの誕生や政党の離合集散を見てきたが、その時々の志はいいが、いずれも線香花火に終わっている。
 小池さんは空気を読むのが上手いし、有権者は相当なびいてゆくだろう。人気のない民進党の前原代表は解党をも辞さない構えで小池さんにすり寄っている。政策なんてそっちのけ、選挙で生き延びることしか頭にない、小池さんに踏み絵を踏まされている候補者を見ていると実に滑稽だ。枝野新党が出来て結局民進党は崩壊してしまった。小池さんも実際は民進党が持っている連合などの支持票やカネを当てにしているのだろう。
 小泉チルドレン、小沢チルドレンなどに見られたごとく、その時の空気であわててかき集めた「選良」とはいいがたい政治家が一気に増えることを懸念している。
 政治の勉強をし、しっかりした国家観や世界観を持っているレベルの高い政治家が欲しい。そういう意味では、有権者がしっかりしなければダメだ。
 平沼赳夫先生や高村正彦先生のような立派な政治家が引退されるのが残念だ。
 今朝のNHKテレビが内閣支持率が不支持率を下回っていると伝えていた。この大事な時期に総選挙の結果がどう出るのか心配だ。