安倍一強の功罪

 国会が終盤を迎え、テロ等準備罪の攻防も最終局面を迎えている。そのような中で、今の国政を見ていると何かむなしいものを感じるのはなぜだろうか?
 加計学園問題と森友学園問題がどうもすっきりしない。安倍一強体制が続く中で官僚も国会議員も力強いマグマを失っているように思うのは私だけだろうか?安倍総理を取り巻くお友達内閣の面々は菅官房長官を筆頭に文部科学省前次官の前川氏を悪者扱いしているが、私は前川氏の言っていることは真実だと思う。役人の天下り問題にしても今回の加計学園問題にしても弱い役所である文部科学省がいけにえにされているように思えてならない。前川氏は文部科学省を守るために必死に戦っているのだ。
 昔の自民党内は派閥の力が強かったから悪い面もあったが、いい意味で切磋琢磨する力があふれていたからお互い批判も喧嘩もしたが、今は安倍一強に抵抗したり批判する者もほとんどいない。野党は批判するけれどまったく犬の遠吠え、国民の信頼を失っているから説得力もない。だから、国会は活力も感じられないしなれ合いとしか映らない。
 私は安倍総理の外交政策や安全保障政策を支持しているし、よくやってくれていると思っている。しかし、官邸だけが強くなって霞が関も国会も活力を低下させている姿は良くない。総理に「よいしょ」する議員や官僚ばかり、声をあげたら損をするような空気は日本国をダメにする。