名こそ惜しけれ

NHKスペシャル司馬遼太郎思索紀行「この国のかたち」第2集武士についてを観て「日本人とはなにか」を私も考えさせられた。

そのなかで、明治維新であれだけ短時間にいろいろな改革を成し遂げることができたのは、武士が賄賂を取らなかったことが大きいという話に驚き納得した。「痛々しいほど清潔だった」そして「公に尽くすこと」これが武士の生きざま、私欲を恥じとし「名こそ惜しけれ」の精神を持っていたという。

車を運転しながら衆議院予算委員会の国会中継を聞いていると、野党は政府の揚げ足取りや、カネを増やせという要求ばかり、与党の一部も消費税の軽減税率を誇らしげに話し、政府は防戦一方だ。昔は税金のカネを使うことは恥ずかしい、子育てや老人介護もできるだけ家族でという人が多かったが、今や核家族化、共働きの環境で物理的にそれが不可能ということになっている。しかし、そのために保育所の増設や老人医療介護、生活保護などに莫大な税金が投入されている。政治家は「福祉!福祉!」と叫んでいたら票になり減額しましょうなどとは口が裂けても言わない。国民にも「名こそ惜しけれ」の精神は微塵も感じられない。

消費税の軽減税率についても、たった2%のためにどれだけ事業者が迷惑し事務経費としてどれだけ税金のおカネを使うことになるか、人気取りでやっているとしか思えない。軽減税率の仕組みを取り入れるならイギリスなどのようにもっと大きな差をつけるなら賛成だが、2%では事務の煩雑さや労力でそれ以上の経費を使うことになるのではないだろうか。

1,000兆円の借金をこれ以上膨らませては子や孫たちにすまない、夢を持って生きろ、希望を持てと言えない日本になっている。