これでいいのかねえ

 今朝NHKラジオから「子供の貧困」がテーマの討論会が流れてきて約40分ハンドルを握りながら聞き入っていた。「17歳以下の子供たちの16,3%、即ち子供の6人に1人が貧困状態である。今で言う貧困状態とは食べるものが無くて死にそうだというようなことではなく、貧しさゆえに高校に進学出来ない、クラブ活動ができない、食事はコメや麺類ばかりで野菜や肉が食べられないなど当たり前のことが出来ない状態を言う。子供の貧困は親の貧困であり片親家庭特に母子家庭が増えていることに起因している。母親は正規の労働につけず、幾つものアルバイトを掛け持ちしながら生活苦にあえいでいる。片親家庭の平均年収は181万円、日本はOECD加盟国でアメリカについで貧困率が高くヨーロッパ各国と比べるとずいぶん劣っており、GDPのなかで家族関係の支援に使われている費用が少ない。三食食べられない子、塾に行きたくても行けない子、進学できない子などは生きる望みを失ったり自己肯定観が弱い。家庭が高収入であるほど子供の学力も比例しているという調査結果が出ている。安倍政権ではこの問題を重視しているもののフランス、ドイツ、イギリスなどに比べ政府の対応が充分とはいえない。」ざっとこんな話を聴いて奈良いのちの電話協会の「子育て支援委員会」の会議に入った。

 子育て支援委員会は子育てをしているお母さんや子供たちの不安や悩みに電話で相談にのるところで、ボランティアで多くの人たちが対応している。まさに、子供の貧困と非常に関係の深い仕事である。昔の3世代同居から核家族、単身家庭へと移行しつつある日本の社会は、家族にも言えない、友達もいない、助けてくれる人もいない、そんな人が大人も子供もすがる思いで電話をかけてくるのだ。思春期の性の悩みを誰にもぶつけることができないで悩んでいる子、中学生で妊娠し悩んでいる子、近親姦というおぞましい悩みをぶつける子もいるという。豊かな日本だというけれど、こういう現実にも背を向けてはならないと思う。戦争に負けてアメリカから押し付けられた憲法で家の制度が崩壊、両性の合意だけで結婚し簡単に離婚する日本になった、これでいいのかねえ。