今回の衆議院解散・・・政治の難しいところ

11月21日に衆議院解散することが決まった。安倍首相は、来年10月に予定していた消費税10パーセントへの再引き上げを平成29年4月まで一年半先送りすることを表明し、国民の信を問うという。国民からみると突然降って沸いたような話で「なぜいま解散なの?」という気持ちを持っている人が多いだろう。現にマスコミの論調も「総選挙に大義なし」という勢力と安倍首相の決定を支持するグループに分かれている。消費増税先送りの決定と衆議院解散は切り離して考えるべきだと思うが、そこが政治の難しいところだ。小泉首相のあの郵政解散だって参議院で否決され衆議院を解散したのだから常識から外れていた。安倍さんは衆議院の残された任期2年を展望した時一番いいタイミングを考えたんだという人もいる。

第二次安倍政権のこれまでの歩みをみると、国内外の課題に果敢に取り組み本当に良くやっていると思う。経済だって、アベノミクスは失敗だと吠えている野党もあるが、あの民主党政権時代と比べたら(まだまだ十分とは言えないが)デフレからの脱却、雇用、株価など様変わりに良くなっている。外交や安全保障においても国益を踏まえ安倍政権は善戦している。今回の総選挙で与党が敗れ安倍首相が退陣に追い込まれるようなことに断じてしてはならない。

私は奥野誠亮先生の秘書時代、自民党分裂の40日抗争を見てきた。昭和55年5月16日社会党が出した内閣不信任案が可決、前年の10月に選挙したばかりなのに、たった7ヶ月で「ハプニング解散」となった。野党の議員もまさか可決するとは思っていなかったから民社党の春日一幸委員長は「切れないのこぎりを自分の腹にあてやがって!」となげいたという。本会議場の議員達が「万歳!万歳!」と叫んでいる姿を見ながら、選挙用の写真をどうしようなどと選挙準備のことで頭がいっぱいになったことを懐かしく思い出す。今の議員やスタッフの皆さんも睡眠時間を削って選挙に備えていることだろう。ほんとうにご苦労様。