女性2閣僚の辞任と民度

松島、小渕二人の女性閣僚が辞任、後任に上川、宮澤両氏が就任した。4人の政治家みんな私と初当選同期組でどんな人かを知っているだけに複雑な心境である。周りにいるスタッフもしっかりしてあげないとこんなことになる。

女性2閣僚の辞任について、新聞に曽野綾子さんの辛辣な言葉があった。「政治が1千万円以上もかかる有権者のご機嫌伺いをしなければならないような旧態依然の感覚で行われているということを見せてもらえたから日本国民にとっては大変有効な教育材料だった」という。まるで外国の人の言葉みたいだ。公職選挙法や政治資金規正法はいろいろな変遷を経て今日に至っている。私もマスコミにたたかれた経験があるが、公人たるものの宿命だろう。政治家は選挙区の人にいかなるサービスも物品の提供も許されないが、もらう方は賄賂性やよほどの金額でない限りなにをもらってもいいという、一般社会の常識から外れている。選挙区内でもお世話になっている人にはなにがしかの気持ちを示したいというのはごく自然のことなのに、それができないようになっている。サービス合戦が目に余る事態からこうなったのだ。

中学校の修学旅行で国会見学の案内をしてくれた当時社会党の代議士が(その代議士の)ネーム入り鉛筆を一人一人配り、私ももらったことを今も覚えている。今なら考えられないことだ。半世紀の間にここまで進歩したのだが、政治家だけ悪くて有権者は民度が高いということではないしその逆でもない。政治とカネの問題は残念だが永遠の課題ともいえる。

こんなことで、大事な政策を論じることなく空疎な国会が続くことも情けない。