故芳本甚二氏のお別れ会

 朝夕めっきり涼しくなり、黄金色の田んぼがまぶしく感じられる。私の郷里都祁では稲刈りの真っ最中だ。

 今日は永年御所市長を務め、7月に他界された芳本甚二さんのお別れ会に招かれ献花させていただいた。私のこれまで歩んだ人生の中で随分いろんな人との出会いをいただきお世話になった人も多いが、芳本さんはその中でも格別深いお付き合いをいただいた人だけに天寿を全うされたとはいえ寂しさもひとしおである。今年2月2日、金剛葛城山下一周駅伝の折ご自宅にお邪魔したのが最後となってしまった。

 私が奥野誠亮先生の秘書となったのも、この芳本さんと故大浦茂雄さん(元桜井市市長)に促されてのことであった。民間会社の一サラリーマンが、後に日本国の行く末を案じる大きな目を持つことができたのは、奥野誠亮先生のご指導によるものではあるけれどそのきっかけを作ってくださったのはこのお二人であった。御所市の芳本宅になんども泊めていただいたこともあり、私を息子のように可愛がってくださった。父が亡くなったとき真っ先に駆けつけてくださったのも芳本・大浦両氏であったし、選挙に落選したとき親身になって心配いただいたのもお2人であった。このお2人には感謝の気持ちでいっぱいだ。奥野誠亮先生は満101歳にしてお元気であるが、奥野先生を支えてこられた後援会の四天王と言われた大浦・芳本・足高・鍛治田の4名全てあの世へ逝かれた。お別れ会には永らくお会いしていない人がたくさんおられ懐かしかったけれど、なんだか一つの時代が終わったみたいで淋しい。