バルト3国歴訪の旅に思う

もうバルト3国の旅から帰って二週間くらいが過ぎてしまった。リトアニア、ラトビア、エストニアいずれの国も本当にきれいな国だった。世界遺産になっている旧市街地の赤レンガの建物が目に焼き付いている。しかし、どの国も侵略され領土を奪われたり国が無くなった経験も持っている。ドイツやソビエトロシアなどの強国に痛めつけられた歴史を抱えながら今日やっと平和になってEUに加盟している。リトアニアのカウナスにある杉原千畝記念館を訪ねたときは、杉原という一人の外交官が外務省の命令に背いて通過ビザを発給し6000人のユダヤ人を救ったことで、多くの外国人がどれほど日本という国に親近感や尊敬の念を持ってくれているかを知り、誇らしく思った。

また、エストニアの首都タリンでロシア正教の教会を訪ねたとき、あの日露戦争で戦ったロシア兵を讃える記念碑を見つけ感慨深いものがあった。バルチック艦隊はこのタリンから出発したという。1905年という文字が刻まれていた。

陸地続きの大陸では、自国を守るために多くの血が流れ、悲惨な戦いが後を絶えない。日本は幸いにして四方海に囲まれ他国の侵略を受けたことがないから平和が当たり前になり、平和ボケになっていることを痛感する。憲法と集団的自衛権の議論を聞いていると情けなくなってくる。