自戒を込めて言いたい

大阪市の橋下市長が「大阪都構想」実現が危うくなってきたから、再度民意を問うと言って辞職した。府と市の二重行政の無駄を省くという点では確かに橋下氏の発想は良いと思うが、彼の独善的な手法に議会も市民もいささか辟易してきたようだ。このたびの辞職も、府や市を一人で振り回し、自分の思い通りにならないからと言って大事な予算審議を放り投げて出直し選挙を強いるのはどうかなあ。あまりにも勝手過ぎはしないか。そして、議会議員にも責任あり。口では国民市民の目線でと言いながら、自分のこと、自分たちの会派にとって有利か不利かしか考えていないのではないか。

以前私も「政治家は阿呆でもできるんやなあ」と言われてガックリきたことがある。40年以上政治の世界を見てきて確かにそうだなと思ったことはたびたびあった。もちろん素晴らしい政治家もたくさんいるけれど、国地方を問わず憲法の条文を読んだこともない人や地方自治法を全く知らないで1000票や2000票取って「先生、先生」と呼ばれている議員が結構多いのも事実。先日ある市長さんが本音を言って嘆いていた。「程度の低い議員のためにどれだけ無駄なエネルギーや時間を費やすことか」と。

今だから自戒を込めて言いたい。遊泳術だけうまい政治家は要らない、地方から政治のレベルアップをはからないといつまでたっても世の中良くならないよ。