苦しい胸の内

7月参議院選挙と同時に行われる奈良市長選挙に自民党奈良県連から「いろいろ候補者を探してきたけれどなかなか決められない。森岡さんしかいない。なんとか出てもらえないか」と先日来、強い要請がある。

昨年の秋以来いろんな方から「混乱している奈良市を立て直すため市長選挙に是非出て欲しい」という話が来ていたし、今の市長に相当な批判があることも承知している。そのせいか出馬を表明している人がすでに6人もいる。ところが、政権党である自民党が候補者を立てられないまま今日に至っているのだ。

私はすでに70歳、政界からの引退宣言をして3年余りが経ちNPO活動など結構忙しくまた充実した毎日を送っているだけにまたもや政治の世界に復帰するようなことは考えてもこなかった。やりたいこと、やらねばならないことがいっぱいあり、個人としては全く迷惑な話だ。

しかし、今の奈良市政を見ると、果たして(失礼ながら)いま出馬表明している人達に立て直しを期待できそうな方が見えない。そして、自民党が候補者を立てられず不戦敗に終わると参議院選挙に与える負の影響も大きい。中央では安倍政権に追い風が吹いているというのに自民党奈良県連はピンチにたっている。そんなことを考えると、30年以上政治の世界でお世話になってきた公人としては知らんプリをして済ますわけにもいかない。かといって、わたしもこの歳で負ける選挙には出られないし悩ましい話だ。

家内は「妻と選挙どちらを取るの? (出たって)恥をかくだけよ。もしも当選できたとしても困難が待ち受けているだけ、残りの人生は楽しく過ごしたいのに」という。胃が痛くなってくる。