NHKスペシャル「TPP多国間交渉ーどう攻めるどう守る」を見て

4月28日(日)夜のNHKスペシャル「TPP多国間交渉ーどう攻めるどう守る」をご覧になった方も多いだろう。甘利担当大臣に加えて、TPPに賛成する人とどちらかというとTPP参加に反対の人がコメンテーターに加わっていて私もその議論を1時間半興味深く見ながら勉強させてもらった。

国内の議論を見ていると、どちらかというと農業をはじめとする慎重派ないしは反対派の声が大きいようであるが、いまや世界は自由貿易交渉時代で日本だけ孤立するようなことは許されない。また、日本のセンシティブ分野である農業について言えばTPPに入らずこのままほおって置いたらどうなるかを考えると、やはり世界のなかで伍してゆける体質に変えてゆく努力をしなければならない時に追い込まれているというべきだろう。テレビを見ていて「外国の農業はみんな法人経営で産業化されているが、日本の農業は個人経営がほとんど、産業になっていない」という甘利大臣の言葉にその通りだと思った。零細な兼業農家を切り捨てるのかという議論が出てくるが、10年かけて農業の構造改善と取組むことだ。戦後日本は第一次産業を粗末に扱ってきたつけがいまきているように思う。

日本の将来を考えると、議論の中であったように少子高齢化に伴って労働人口の減少、消費人口の減少などから、活力低下は避けられない。自由貿易によって伸びつつある国々の活力を取り込んでゆくことが大事、TPPを成長戦略ととらえ稼ぐ力をつけないとこれからさらに増えていく年金・医療などにも対応できなくなってゆく。

もちろん外国との交渉事だからメリットもあるがデメリットもある。それを克服してゆかねば日本の将来展望はない。それにしても、日本人は、政治家も含めてなぜTPPに参加すべきなのか、わかっている人が少ないし、ただ反対しているだけではダメだということに早く気が付いてほしいと思う。