中学校の同窓会

55年前に卒業した中学校の同窓会があり、一学年500人程の同級生のなかで93名出席とのことだった。なにしろ古希を迎えた人間ばかりで卒業以来一度もあったことがない人や久しぶりに会うひとがほとんど、一人一人名前を述べ合ったが、昔の面影が残っている人もいるが全くわからない人もいた。特に女性はすっかり変わっていてわからない人が多かった。お互いいい爺さん婆さんになっているが、食事しながらいろんなテーブルを回って選挙でお世話になった皆さんにお礼を言ったり旧交を温めあった。学校ではやんちゃだった男が素敵な風貌をしているのをみると嬉しかった。皆それぞれ人生の半分以上を別々に歩んできたわけだが、今になって思うと、勉強が良くできた奴が必ずしもいい人生を送っているわけでもなさそうだ。だから人生はおもしろい。

渡部昇一先生の著書によると、「元総理大臣の宮澤喜一氏は『東大法学部』出身者以外は信じなかったといわれているくらい学歴偏重の秀才だった。しかし、彼は官房長官のとき、日本の歴史教科書の検閲権を実質上北京とソウルにあずけるようなことをした。また、総理大臣のときは中国の要請に基づいて天皇・皇后両陛下の中国訪問を実現させた。中国人は日本の天皇が朝貢に来たとうけとった。中国が日本に居丈高になったのは、この時からだと私には見える。このように東大法学部出身だからといって、必ずしもいい政治をやれるとは限らない。そういう意味では学歴など大して役に立つものではないともいえる。」と記されている。

東大法学部卒の人と比較するのはおかしいかもしれないが、私の中学校の同級生のなかには、家が貧しく苦労して一刀彫の第一人者になった人や石工として世界に名前を轟かすほどの活躍をしている人物もいる。また、社会的な地位はないけれど、素晴らしい人柄の人が何人もいる。

古希を迎えたいま、頭の修正や性格の変更もきかないだろうが、健康で長生きし少しでも社会のお役に立って死んでゆきたいものだ。同窓会のお世話をしてくれた幹事さんに感謝!感謝!