妻は上司と心得よ

ある雑誌を読んでいると女房が泣いて喜びそうなことが書いてあった。リタイアした男の妻への接し方、いわく愛されジジイになる7つの心得、その1「妻は上司と心得よ」、その2「ゼロから女の世界で生きる覚悟を」、その3「戦わずして負けよ。勝てば勝つほど離婚が近い」、その4「定年5年前から準備を始めよ」、その5「タダで話を聞いてくれる人はもういない」その6「モテは簡単。威張らず黙って話を聞け」、その7「ありがとうはまず形から」。説明には「妻は上司でありケアマネジャーです。家庭本部長という上司だと思えば『ハイ承知しました。』『御意』などという言葉も素直に出る。これなら争いは起きない。『あなたよくなったわね。』『以前のお父さんと違う。』と言われるようになればいい。変わらなければ熟年離婚。それくらいの真剣勝負です」とある。

誰がこんなことを書いてるのとみると全国亭主関白協会会長の天野周一という人だった。

そうしたら今日、大学の大先輩である相馬達雄弁護士が「訴訟社会」と題して講演してくださった中身が、家族崩壊の深刻な話、「戦後の日本は家族制度が法律から消えて家族ばらばら、主人が死ぬと奥さんと子供が遺産相続を受ける権利はあるけれど、主人がアルツハイマーになって生きていると、法律上財産を管理するのは裁判所が指定する後見人であり、奥さんにも子供にも管理する権利はないし世話をする義務もない。最高裁でアルツハイマー離婚が認められた。また、主人が亡くなっても葬式を出す義務、法事や墓参りをする義務は法律上誰にもない。親族終了の意思表示をして財産だけもらってサヨウナラということが起こるから、存命中に葬儀屋と葬儀契約をしたり永代供養契約をするケースが増えてきている。愛のないところに結婚はない。男が偉そうにする時代は終わった」と面白おかしく話されたが、こんな話は妻に報告出来ないなと思った。