映画「幸せの経済学」を観て

明日から始まるなら国際映画祭(実行委員会理事長河瀬直美監督)の前夜祭として浄教寺で「幸せの経済学」が上映された。会場の本堂大入り満員の状況であった。Tシャツ姿の実行委員の皆さんや学生さんが一生懸命お世話しておられたのが印象的であった。1時間余りの映画だったが、いろんな問題提起があり、人間の生き方を見直させるような思いがした。

「ヒマラヤのふもとのラダックというところに住む人たちは他所の世界を知らないときは幸せに暮らしていたが、グローバリゼーションの名のもとにいろんな物や情報が外国から入ってきてかえって不幸になっている。大量生産・大量消費の生活から抜け出し、再生可能エネルギーに切り替え農産物の地産地消を進める、これからはローカリゼーションの時代にしてゆくべきだ。地域の人同士、また家族の絆を強くしたり、心の豊かさを大事にしながらゆったりと生きてゆく、そんな社会にしなければ。7世代先を見据えるような転換がひつようだ。効率やカネだけを追い求める生活を見直そうよ」というような思いが込められていたようだ

最初に挨拶している河瀬直美監督

。このあと、グループに分かれてディスカッションしたりパネラーのお話を聞いたりしたが、なかなかいい会だった。昨年の3.11以来日本人は少し自らの生き方を見直すようになったと思うが、明治以来の日本があまりにも西洋に追いつけ追い越せと急いで駆け上がったけれど、ここらでもっと日本人の良いところを発揮できるような生き方、日本人らしい価値観や幸せ探しをすべきだなと思った。グローバリゼーション=欧米化というのを当たり前のように受け入れてきたことも見直さないと。