感動の講演を聴いた。

 奈良県社会福祉協議会が主宰する「なら小地域福祉活動サミット」に参加、身近な地域で住民同士が力を合わせて支えあう活動を先進地などを参考にしながら皆で考えてゆこうという取り組みであった。

まず最初、鹿児島県鹿屋市串良町柳谷公民館館長の豊重哲郎氏が「人がつながりまちを元気に」-地域力の可能性を”やねだん”に学ぶーと題して 基調講演をなさった。

 約90分この方の話に吸い込まれ、感動し涙が何度もにじんできたり、胸が熱くなったりした。人口300人、牛500頭、豚7000頭と言う町で行政に頼らないで17年間地域再生と取り組んでこられた苦労と喜びのドラマであった。「人を動かすのはカネじゃない。真心と情熱しかない。感動と感謝で人の心をゆさぶるんだ。指導者の条件は、アイコンタクト・フルネームで相手を呼ぶ・笑顔、この三つを欠かさないことだ。そして、自分が動かないと人は動かない。」ごく当たり前のことを言っておられるのだが、私にはできていないことばかりで反省しきり。選挙にでる身でありながらアイコンタクトも握手しながら目は次の人のところへいっているとよく叱られたものだ。フルネームで相手の名前を呼ぶこともほとんどできない。笑顔もすぐ硬くなってしまう。

 そして、この方は「ふるさと創生塾」を開いてすでに全国に330人の卒業生を持っているという。奈良県では更谷十津川村長もその一人だと言う。会場に更谷村長も来ておられた。東日本や十津川の被災地への気配りも素晴らしい、71歳にして実際自ら知恵を働かせながら行動に移しておられるのが凄い。

 私はいまNPO活動でどうやっておカネを工面すべきか悩みが多いけれど、この方は、地域の高齢者を動かして堆肥作りと芋焼酎で年間500万円の自主財源を確保しているという。またこの地域では高齢者がやる気を出してみんな働くから一人当たりの医療費が他の地域より3割以上低いそうだ。

 ほんとにたいした指導者だ。見習わねばならないことばかり、いい勉強をさせていただいた。