人口1000人を切ったというのに「ゆず」のジュースや間伐材で作ったカバンなどで年間30億円以上の売り上げを誇るという。子供の数が少なく小学校も中学校も複式学級、高校もない、救急車もないという村で役場の職員40名、農協職員90名などが生き生きと働いている姿と村長さん自ら営業マンに徹しておられる様子が印象的であった。森林率96%という村だけに加工施設やホテルが地元の木材をふんだんに使って建ててあったがいずれも素晴らしかった。我々17名のメンバーの中に馬路村出身のM氏が居てなにかと連絡をしていただき、農協の組合長さんが待っていてくださった。そして、村の観光協会が運営している馬路温泉で泊まり、村長さん自ら我々の食事にお付き合い、至れりつくせりの歓待をしてくださった。聞くと上治村長は只今村長4期目、一度も選挙相手が現れず無競争だという。アイディアが豊富、謙虚で腰が低く自治体の首長として人望厚く村の発展をひたすら願う気持ちなど、実に魅力的な方だ。こんな素晴らしいリーダーがいるからこの過疎の村が蘇ったのだと思った。
スローフードの総会や懇親会でも高知県の人たちが海の幸、山の幸を生かした町おこし村おこしにかける意欲を感じとることができた。、また、日曜日毎週開かれている高知市内の「朝市」で買い物をしながらその規模の大きさや人の集まりをみて「奈良でもこんな朝市が開ければいいのに」と思った。 分厚い身のカツオのたたきや「ゆず」の香り、馬路温泉のヌルッとした温泉の感触が忘れられない旅であった。