「はるきぬといまかもろひと・・・・・・」

朝6時過ぎに我が家を出発、一時間余り週に2~3回は家内と早朝ウオーキングをしている。白みかけた奈良公園を速足で歩くのは実に心地よい。いろんなことをしゃべりながら歩く。家内は東京大学が秋入学への移行を表明していることに「私は反対よ、いくら世界の動きがそうなっているといっても日本は春に草花が芽吹きすべての動植物が活動を始める。入学する子供たちや就職する人たちも一斉に『よし!やるぞ!』という意欲が湧いてくる時期です。秋は枯葉に象徴されるようにだんだんとすべての活動がしぼんでゆく時期だからそんな時に入学や就職なんておかしいわ。四季折々の変化がある日本は日本として独自の道を進んだ方がいいんじゃないの?」
 世界の大多数の国が秋入学で日本の大学に外国人留学生が来ないという理由から東大が腰を上げた。他の国公私立大学も検討を開始しているところが多いと報じられている。大学が秋入学になると、就職もやがてそうなってくるに違いない。団体法人の決算時期も3月から9月決算に移行するところが多くなるかもしれない。グローバル化とはこういうことをいうのだろう。だが、家内のいうことも一理あるなと思った。
 興福寺本坊の前「はるきぬといまかもろひとゆきかへり ほとけのにはにはなさくらしも」という会津八一の歌碑を横目に通り過ぎた。