ブータン国王ご夫妻来日に思う

 国賓として来日中のブータン国王ご夫妻の言動をニュースで見ているとまことにすがすがしい思いだ。ご夫妻が東日本大震災の被災者の気持ちに寄り添い、心の底から心配してくださっている空気が伝わってくる。「どうしてブータンの国民は9割以上まで自分は幸せだといえるのか」という答えを探すつもりで、私は昨年2月ブータンを訪れ、おおむね納得して帰ることができた。たった人口70万人の国ではあるが、国民みんながチベット仏教の熱い熱い信者であること、いまのナムゲル・ワンチュク国王は5代目であるが、善政をしき国民に支持され敬愛される存在であること、農業国で食糧自給率100%に近いことなどが国民皆が幸せだと思える基礎になっているようだ。工業製品などの供給はほとんどインドやタイに頼っているというし、われわれ日本人から見ると、戦前の日本人にケイタイ電話を持たせている感じかなと思ったが、子供たちのきらきら輝く目や親日的な国民性からブータンがいっぺんに好きになった。このたびの国王ご夫妻の来日は一層身近に思えてならない。
 それにしても、我が国の天皇陛下がご入院中のうえ、皇太子妃である雅子さまが、ブータン国王歓迎の宴にもお顔を見せられないとはどういうことか?天皇陛下のご病気の平癒を祈ると同時に、お歳を考え治られてもあまり身体を酷使されないよう宮内庁の配慮が欲しいと思う。雅子妃は週刊誌の餌食になっているようだが、国民みんなが心配しているのだからもう少し真実を説明できないものか。