国家のため命を捧げた人達に冷たい政治

 今年も8月15日を目前にしている。お盆が来るとご先祖さんを想い、同時に靖国神社が浮かび、6年前(平成17年5月26日)の自分の発言を思い出す。

 

「小泉総理の靖国神社参拝をめぐって中国がA級戦犯合祀を問題にしています。これに対する与党幹部の態度は如何なものか。中国の気にさわっているから何とかして靖国神社とA級戦犯を切り離したいという対応しかしていないように見えます。そもそもA級戦犯といいますが、日本が占領下にあったとき、勝者である連合軍が国際法違反の軍事裁判で敗戦国日本を裁いたものです。戦争はどうしても話し合いで決着しないとき、国際法で認められた一つの政治形態です。日本は経済封鎖され、やむなく戦争せざるを得ない状態に追い詰められ国際法のルールにのっとって戦争をしました。勝った方が正義で負けた方が悪ということではありません。独立回復後は、国会でも全会一致で名誉回復を図り、A級戦犯といわれた人達の遺族にも恩給が支給されるようになりました。

A級戦犯の中には絞首刑になった人も禁固刑になった人もいましたが、皆罪を償いました。のちに大臣や総理大臣になった人もいます。A級戦犯はもはや罪人ではありません。日本は中国にも韓国にも何度も何度も謝ってきました。戦後60年間、平和主義を貫き、一度も戦争をしないでやってきましたし、経済援助もしてきました。中国や韓国に媚びてA級戦犯の分祀や新たな追悼施設を目指すのではなく、『東京裁判は国際法上違法であった』と世界に向って主張すべきです。」

 自民党の代議士会での発言だが、当時厚生労働省の大臣政務官を務め、小泉内閣の一員であったからマスコミはこの発言を大きく取り上げ、朝日新聞の社説は2回も私を非難、産経新聞の正論では東京大学名誉教授の小堀桂一郎先生が賛成の論陣を張ってくださった。議員会館の部屋は電話とメールの洪水、批判的なものは少なく、圧倒的に激励してくださるものが多かった。

 小泉総理は「日本はサンフランシスコ条約を受け入れている」と言って逃げの姿勢、細田官房長官も「政府の一員として話したのではないでしょう。個人の見解でしょう。」と言い、何もなかったことにしたい気持ちがありあり。国家の基本に関わる重要な問題を投げかけたのに全く内閣の腹が据わっていなかった。

 国家のため命を捧げた人達になんと冷たい政治が行われているか、殆んどの政治家は平和ボケ、そのうえ民主党政権になったから中国・韓国に平身低頭、歴史の歪曲や中国や韓国の内政干渉に国民の反応も鈍い。

 私はいまも耐えがたい思いをもっている。靖国神社に祀られている246万柱の英霊が泣いているに違いない。