チャイルドラインに見る子供の叫び

 奈良いのちの電話協会という団体をご存知でしょうか?24時間365日休むことなく苦しんで電話をかけてくる人達の相談に乗っている非常に尊い仕事をしている組織でかねがね相談員の皆様に敬意を払ってきたのだが、もう政治と縁が切れたのだから本腰を入れて手伝えと言われて今年度から理事の末席を穢している。

 昨日はその中の一部、対象者が子供という「チャイルドライン奈良」の会議が開かれた。昨年の実績を伺うと、人間関係・いじめ・不登校・引きこもり・恋愛・心の不安・性・話相手がいないなど相談の内容はいろいろだが一番多いのが性に関する悩みや不安だという。電話の受け手は研修をうけた心理学などを学んでいる大学生(女子が多い)で、後ろに年輩の支え手が居てアドバイスしたりするそうだ。受け手が年輩のオジサン・オバサンではすぐに電話を切られてしまうとのことだったが、人生経験の浅い大学生がどんな風にやりとりしているのかなと思いながらベテラン相談員の方の話を聞いた。

 子供の声の中には「お父さんが殴ったり脅かしたりする(高校・女)」「お母さんが機嫌悪くて夕ご飯作ってくれない(小学・男)」「お父さんが居なくなってからお母さんが寝てるところに入ってくる。触られるのがイヤだ。(中学・男)」「学校・部活・親ともうまくいかない。何もやりたくない。いやなことばかり。友達は冷たい(高校・女)」「友達がいじめられているけど言えない。次はわたしがいじめられるかも(中学・女)」「オナニーの仕方を教えてください、友達には聞けないし(中学・男)」「実は、彼女が妊娠したかもしれなくて・・・親にもいえないし悩んでいる(高校・男)」などなどみんなみんな重たい話ばかり、思い余って電話をかけてくるのだろう。

 社会の裏側というか、建前と本音があるとすれば本音の声が読み取れる。委員の皆さんと意見を交わし、私は「学校教育の場で年齢に応じた性教育がなされていないのではないか」「みんな大人が子供の健全育成に反する環境を作っている」「家庭・地域・学校それぞれの場で愛情不足の状態が子供を悪くしている」など指摘させていただいた。ケータイ・パソコンなど子供に悪影響を与える情報を垂れ流したいるのはみんな大人である。民主党政権となって教組が強くなり学校ではジェンダーフリー教育と称しておかしな性教育がまた頭をもたげているという。家族の絆・地域の連帯・国を思う心など日本人みんながもう一度見直す気持ちにならないと、思いもよらないところから日本は崩壊するかもしれない。