テレビの前で泣いたーなでしこジャパンの「あきらめない」

 18日朝5時過ぎ、我が家の猫「クーチャン」が私を起してくれた。女子ワールドカップサッカー決勝戦が気になっていたのでテレビをつけると後半戦の実況中継中、1対0で日本が負けているところだった。体が大きく力強いアメリカチームに押し込まれ健気に防戦する小さな日本選手の動きを見ているとくぎ付けになってしまった。いつか映画で見た「硫黄島の戦い」の物量豊かなアメリカ軍を向こうにまわしてねばり強く戦う栗林中将率いる日本軍をフと思い出した。

 それが後半35分宮間のシュートで同点、振り出しに戻って延長戦、そしてまたもや前半14分アメリカに2点目を入れられ、日本はピンチに。もうダメかと思ったところ後半12分キャプテン澤がねじ込み同点、PK戦となった。世界ランク1位のアメリカチームと過去24回戦って21敗3引き分けと日本は一度も勝ったことがないという。正直私の気持ちのなかではとてもアメリカにはかなうまいと思っていただけになでしこジャパンのねばりに感動した。祈るような気持ちでPK戦を見ていたが、ゴールキーパーの海堀がよく押さえたし、キッカーもがんばった。4人目熊谷のシュートが入った瞬間日本の優勝が決まったが、なでしこの選手達が皆駆け寄り抱き合っている姿を見てドッと涙が溢れてきた。「日本が世界一になった!」

東日本大震災でくじけそうになりながらも必死で生きようとしている東北の人たちやこの国の将来に不安を抱いているわれわれ日本人に、なでしこジャパンの活躍は「やればできるんだ」という希望を与えてくれた。予選リーグではイングランドに負け、2位で決勝トーナメントに勝ち上がってきた日本が強豪ドイツ・スエーデンそしてアメリカを破るとは世界中が驚いていることだろう。キャプテンとして比類なき統率力を発揮しMVPにも輝いた澤選手、信頼厚い佐々木監督をはじめ、最後まで集中力を切らさなかったなでしこの面々皆に心からの拍手を送りたい。

試合後のインタビューでゴールキーパー海堀選手が「夢は諦めなかったらかなう」と言ったその言葉にまた新たな涙があふれてきた。涙もろくなったのは歳のせいだけではないヨ。