私心を捨てて欲しい

  昨日投開票があった統一地方選の後半戦も民主党惨敗に終わり、菅政権はいよいよ厳しくなってきた。「大震災への対応が悪かったから選挙に負けたのではない」と菅さんは抗弁しているが、震災前から現政権はいつ倒れてもおかしくないほど信頼を失っていたのだ。3月11日以降「今は国民皆が一致団結すべき時で総理の首を挿げ替えるなんて言ってる場合じゃない」というのが国民の常識であったにも関わらず一向に菅政権も民主党も浮上しないのは「期待はずれの政権交代だった」と国民が見透かしているからだ。

 天皇皇后両陛下が避難所を見舞っておられる姿に被災者の皆さんが感激し涙しておられるのに、菅総理や東電の社長が行くと罵声を浴びせられる、その落差の大きさはなんだろうと思うのである。「天皇は象徴であって実際政治を動かしている権力者ではないことを国民は知っているからだ」とか「伝統の重みだろうね」などというけれど、わたしは「天皇皇后両陛下の日頃国民に対する接し方が自然に頭が下がるような姿勢だからかな」と思ったりする。実際両陛下と私も言葉を交わしたことがあるけれど、「私を捨てて常に国民を案じているという姿勢、慈愛に満ちたものごし」から包み込んでくれるような穏やかな空気が伝わってくる。特に皇后様にはえもいわれぬオーラを感じるのは私だけではないだろう。

 比較するのは両陛下に失礼だが、悲しいかな、菅総理には「私心を捨てて」という気持ちが全く伝わってこない。菅さんだけではない、与野党問わず、国会議員みんなが私心を捨てて災害復旧に取り組んでいる姿を見せてくれれば政治不信も解消されるだろうに。だけど先日ある人が「政治は三流・有権者は五流だ」と言った。「あれほど政権交代という言葉に酔って民主党政権を作っておきながら2年も経たないうちに民主党はダメだと批判に回る。そのときそのときの風に有権者はどうにでもなる、無責任じゃないか」というのである。結局ツケが回ってくるのは有権者のほうなのにね。

勝利のだるまに目を入れる堀川君
勝利のだるまに目を入れる堀川君

  私の事務所で働いてくれた堀川力君が大和郡山市議選に立派な成績で当選を果たした。ほんとうに良かった。弱冠25歳、初心を忘れることなくおじいさん(元奈良県議会議長)を越えるような政治家に育って欲しい。