桜井よしこさんの講演

 あの大震災から今日で丸3週間、しかも4月1日で新しい年度のスタートだ。被災された方々の動向、支援者の涙ぐましい活躍、いまだ不安な状態が続く福島原発の現状などに毎日気をもみながら過ごしているけれど、ようやく明るいニュースもチラホラ聞けるようになってきた。被災された方々が苦しい中でお互い励ましあって頑張ってる姿、津波に会社が流されているのに全社一丸となって復興に向けて歩みだしている明るい笑顔、ボランティアの人達がどんな仕事もいとわず被災者に接している姿勢、被曝覚悟で原発避難地域を住民の安全を図るために一軒一軒回って確認している自衛隊員、自衛隊と一緒になって同盟国として「トモダチ作戦」を展開してくれている米軍をはじめ世界中の国々からの温かい支援など、一人の日本人として感謝と感激でいっぱい、これで日本も大丈夫、きっと立ち直ることができる。いたるところで行われている募金活動も素晴らしい。

 昨日、大阪で桜井よしこさんの「勇気をもって困難を乗り越えよ」という講演をきくことができた。さすが桜井さん、1500人の聴衆を前にいい話をされた。ざっと次のようであった。

「助ける日本人も助けられる日本人も実にりっぱ、この困難のなかで雄雄しく立ち上がろうとしている。しかし3週間も経つのになぜ原発の始末に効果があがらないのか、技術は一流、富もある日本でなぜ原発が?菅総理の支持率は震災前10%台であったのにいま35%まで上がっている、これは国民の理性で上がったのでありほんとうの評価ではない。安全保障会議を一度も開いていない、自衛隊に防衛出動を命じていない、かろうじて緊急対策本部は設けたが国家が総力をあげて全力を出し切る組織作りができていない。指導者たるもの、国家を預かるということがどういうことか頭に入っていない。中央政府のリーダーシップは見えないが国民のほうがしっかりしている。

 民主党政権はアメリカに冷たかったが、今回いかにアメリカが親身になって助けてくれていることか。中国やロシアも支援を申し入れてくれたことには感謝するが、複雑な事情も見て取らねばならない。ロシアは、日本海側から支援活動している米軍の艦船を牽制せんとして領空侵犯に近い形でスホーイ27戦闘機を飛ばしてきた。自衛隊機が緊急発進して止めた。中国も東シナ海で海上自衛隊の艦船に異常接近してきた。

 いま私たちは日本再生のためになにを為すべきか、絶好のチャンスというと語弊はあるが、やらなければならないことがある。他国に作ってもらった憲法を見直すことだ。日本国憲法は日本国民の価値観を表していない。日本国憲法はアメリカが占領統治をやりやすくするために作ったもの、自衛隊を正規の国軍にすべきだし、第3章の国民の生き方を書いている部分は自由と権利だけを強調し我々日本人の価値観には合わない。

 復興計画は今までと同じ価値観で考えてはいけない、自然災害に負けない国づくりを、そのために津波が心配な海岸地域は大規模な農地にし人間が住むところは高いところに、そして、いざと言うときは司令塔の指示が行き渡るように広域政府を作る、冬の雪・水資源を生かした地域づくりと豊かな精神生活ができるような文化行政が必要だ。われわれは何ゆえに日本人なのか、日本人の特性はなにか、宗教心に根ざした伝統と精神的な価値観をもっているからだ。死者と生きている人が同時に存在し、死者が生きている人を見守っている、その価値観を子孫に受け継いでいくのが日本の文化だ。」

 今日から県議選も始まった。桜井さんが「どれだけの人が憲法を読んでるだろうか?」とおっしゃった。憲法も地方自治法も知らないで有権者にただ愛嬌を振りまいているような候補者がいなければ良いがと思うのは私だけだろうか?