全国民一丸となって試練を克服しよう

 未曾有の大惨事となった「東日本大震災」が起こって6日目を迎え、総力を挙げて救助や復旧活動に当たっていると言うのに、まだ全容がわからないところがあるし、福島原子力発電所のメルトダウンが心配でならない。被災された方々に心からお見舞い申し上げるとともに亡くなられた皆様のご冥福をお祈りしている。連日の報道をみていると、目の前で家族が津波に流された人、一個のおにぎりを分け合って食べている人、家族の安否がわからず涙している人、暖房もなく寒さに耐えながら避難所暮らしを強いられている人、持病を持ちながら薬を待っている人など何とか助けてあげられないものかと歯がゆくなってくる。素人考えで、食糧、水、医薬品、衣料、灯油など生きてゆくのに最低限必要なものをなぜもっと早く届けられないのだろう。陸路が断たれているなら戦争の時のように空からヘリで必要な物資を投下するようなことができないのだろうか?

 海外のメディアが日本人が甚大な被害に直面しながらも平静を失わず相互に助け合う状況を評価しているようだ。略奪や放火などがショックを受けるほど皆無だとも論評している。自衛隊、警察、消防、海上保安庁をはじめ各自治体、ボランティアなどの昼夜を分かたぬ活動に加え、海外からの救援支援チームも頑張ってくれている。被災している人達が避難生活に涙しながら耐えている様子が痛々しい。

 我々の先輩は、戦争に敗れ日本国中が廃墟となったにもかかわらず、雄雄しく立ち上がり一生懸命働いて世界の奇跡と言われる復興を成し遂げた。あってはならない災害だが、この試練を冷静に受け止めあの先輩たちの気概を思い起こし全国民一丸となって克服しなければならない。被災者のことをこころから案じておられる天皇陛下のお言葉を聞き、胸が熱くなった。

 皆が力を合わせなければならないときに、批判がましいことをいうのは気が引けるが、原発への対応などをみていると司令塔がしっかりしていないように感じるのは私だけだろうか?