美輪明宏の言葉

 最近妻の生活指導?にうまく調教されてきたのか、一緒に行動することが多くなった。買い物、ウォーキング、映画などである。昨年はさだまさし、沢田研二そして今日は美輪明宏の公演も一緒についていくことになった。正直、美輪明宏なんて(大変失礼なことだが)メケメケのケバイおっちゃんくらいにしか見ていなかったが、カルチャーショックを受けることになった。歌もさることながらおしゃべりがうまいし人生経験豊富、学殖豊か、あの素晴らしい声で76歳だという。エディット・ピアフを彷彿とさせるシャンソンは特に魅力的だった。おしゃべりの中で彼がものすごい苦労人であることを知った。ホームレスも経験しているしイジメにもあっている、食べるものにも事欠く極貧生活にも耐えてきたようだ。だから、いろんな人の人生相談に乗っているそうだが、彼のいくつかの言葉が印象に残った。「誰からも相手にされない時他人に愛されたいと思ったら、まず自分が自分を愛しているだろうか、わが身に問うてみなさい。自分を愛することが出来ない人が、他人から愛されたいと思うことが間違いだ。自分を愛したなら自分を磨こうとする、そうすれば磨かれた貴方を他人はほうっておかない」「+1と+1を足すと+2、+1と-1を足すとゼロでしょ、ところが-1と-1を足すと+20にも+30にもなるのです。つまり、そこそこ結構な暮らしをしている者同士が結婚しても大して生活は良くならない。だけど、貧乏な者同士が一緒になると想像もつかないくらい豊かになることができる。貧乏だということはそれだけ強いエネルギーになるのです」と。小さいとき貧乏で丁稚奉公を経験された千房の中井社長から聞いた話とよく似ている。僕は幸か不幸かそれほどの貧乏は経験していないごく普通だが、人間は絶えず己を磨こうとする努力やハングリーな気持ちがないとダメなんだ。改めて思った。