国が滅びるのは外交・安保

東大寺立像2

 今日もテレビで「坂の上の雲」をみた。日露戦争開戦前夜の様子がよくわかる。明治の政治家は世界をにらみながら常に国益を考えていたし、文字通り身体を張って仕事をしていた(ように思える)。それに比べて今の日本の政治家はなぜこうも阿呆がそろっているのか、自分も阿呆の1人だった。そう思えてならない。先日マスコミの方から、「小選挙区制と政党助成金の制度を導入したことが政治の劣化につながっている。政治改革をうたってその推進役を果たしたのが小沢氏、政党の中で唯一綱領を持たないのが民主党でこれも幅広く合従連衡ができるようにという小沢戦略の一環、この20年ほどの間ずっと小沢氏によって政治が動かされてきたがこれを終わらせなければ日本の政治は良くならない。」という話があった。なるほどと思ったものの「そういう状態を作ったのはマスコミにも責任があるのでは」と言ったら「その通りです。半分の責任はマスコミにあります。」と反省の弁。小沢ファンにとっては苦々しいことだろうが、この国の将来が深刻な事態を迎えそうだと心配しているときに、小沢を国会でしゃべらせるかどうかで政治家が右往左往している事態はまことに恥ずかしい。レベルが低い。

 私が好きな京都大学の中西輝政教授は「国が滅びるのは外交・安保だ。アメリカに占領されたことがどれほど大きな損失か、イギリスのチャーチルは、(敗戦の日本をみて)『これだけやられたら百年は立ち上がれないだろう』といった。日本人の歴史観、皇室のあり方、憲法などを見ているとその通りだと思う」「中国はあんなひどい国だとは思わなかったという人が多い。歴史を改ざん、捏造することはへっちゃら、共産党というのは恐い、来年あたりは中国の航空母艦がやってくるだろう。しかし、これを乗り切ったら日本はうまくいく。2~30年さきには中国共産党はなくなっているだろう。」などとおっしゃった。結局、占領政策によって歪められたいまの日本人の歴史観や国家觀を変え、まともな外交・安全保障政策をとれる国にしなければということだった。

 ノーベル平和賞を授賞された中国の劉暁波氏に、中国政府は本人の出席はおろか代理人の出席も許さなかった。しかも、中国に同調し授賞式に出席しなかった国は17カ国にのぼったようだ。授章者が座るべき空席の椅子を横にノーベル賞委員会の委員長が、「劉氏は釈放されなければならない」と語っているテレビを見て熱くなった。世界中がこのシーンを見ているだろう、案外中国はこんなことから破局を迎える国になるかもしれない。